幹事クリタのコーカイ日誌2026 |
| 6月16日 ● リハと同じことをやらない。 先週のサックスの発表会。午前中にリハーサルをやって午後に本番という段取りです。毎年この流れで発表会をやっているのですが、3年目くらいでわかったことがありました。一緒に演奏をしてくれるプロミュージシャンの人たちがリハと同じことを本番ではやらないのです。当日初めて合わせるのに、リハと違うことを本番でやられると慣れない生徒は戸惑います。ビックリして乱れます。真面目な生徒ほどそうなりがちです。 発表会における生徒の大きな不安のひとつは「うまく合わせられるか」「遅れずに入れるか」ということがあります。NHKののど自慢などでも良く見かけますが、慣れない生バンドの演奏に合わせて入るのは難しいです。ましてや緊張していると余計に訳がわからなくなります。我々の発表会でも最初に入るところ、間奏なりピアノソロなりの後に入るところはとても緊張します。だからリハの演奏を動画で撮影して、本番まで繰り返しそれを聴いて「きっかけ」を見つけて覚えようとします。ところが本番でリハと違う演奏をされてしまうのでパニックになってしまうのです。結局先生が横から指示を出して入るタイミングを教えてくれたりします。 なぜリハと同じ演奏をしないのかと先生に聞いたら「ジャズってそういうものだから」という答えが返ってきました。そもそも彼らにちゃんとした楽譜はありません。コードが書いてあるだけのペラ1枚を見て演奏をしています。同じ演奏をと言われても、そもそもどんな演奏をしたのか覚えていないらしいのです。もしくは覚えていても違うことをやりたくなるらしいのです。 ジャズピアニストの小曽根真のインタビューでも彼が同じようなことを語っていました。リハとは違うことをやってくるから、お互いに緊張感があって良い演奏が生まれるということらしいのです。それがジャズなんだと。カッコいいです。でも緊張しまくって頭が真っ白になっている発表会の生徒にはかなり酷です。今回の発表会でも3人に1人くらいの割合で、横から先生が出てきて楽譜を指さして合図を出していました。今年は特にそれが目立ったので、恐らくみんなバックの演奏を見失っていたのでしょう。それだけ本気でバックが演奏をしていたということなのかも。知らんけど。 僕自身はさすがにもう慣れたので、今回はリハの動画も撮りませんでした。聴いたらかえって固定観念が生じて本番のマイナスになるとわかったからです。特にリハがうまくできた時ほど、同じ演奏をもう一度しようと考えてしまうので、それがかえって足を引っ張ります。常に一発勝負の気持ちで臨む方が良い演奏ができるというか、それがライブなんだと思いました。下手は下手なりに、プロのミュージシャンと同じ気持ちで臨んだ方が良い結果が出るような気がしたのです。とりあえず今年はそれでまあまあ上手くいきました。でも来年はどうなるかはわかりません。できたらこちらもちょっとリハとは違うことをしてやりたいと思ってはいます。 |