幹事クリタのコーカイ日誌2026

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5月29日 ● お父さんが一番偉い教。

 前巨人監督の阿部慎之助の事件は家庭内のことだから、娘さんたちのためにそっとしておいてあげるのが一番だと当初書きました。ところが事件の翌日に阿部の記者会見で弁護士が長女の「反省文」を読み上げて、まるで悪いのは被害者の長女のように仕立て上げて事件を矮小化しようとしました。この狙いはかなり成功していて、阿部擁護の意見が一気に広まり、阿部の監督復帰を嘆願する署名活動が即座に立ち上がり13万筆を超える署名が集まったそうです。テレビやネットでも有名人から阿部擁護をする意見があり、それが志らくとか、GACKTとか、吉本の芸人とか、いつも政権を擁護しリベラルを批判している面々とかなり重なるため、なるほどなという気がしています。

 まずあの反省文なるものは本人が自発的に書いたとはとても思えません。違和感だらけです。恐らくは弁護士が原案を作っているのでしょう。また仮に本人が書いたとしても、被害者の手紙を加害者側が発表するということ自体が異様です。そしてあんなものを公開することを真っ当な父親なら絶対に許しません。一般人でありまだ10代の娘を守ることが最優先であることは誰でもわかります。それなのになぜ自分の起こした暴力事件を、被害者である娘のせいにするのか、それも自ら娘をターゲットにするように犬笛を吹くのか、信じられない行為です。狙い通りネットでは阿部への同情と、長女をはじめ家族を叩く連中が跋扈しています。加害者でありながら被害者である自分の家族を悪者にする、それだけで阿部という人間を信用することは到底できません。

 そして阿部を擁護している連中が言うのは「叩くのも愛情」「昔なら当たり前」「食わせてもらっているのに恩知らず」などという、昭和からやってきた阿部サダヲのような不適切なことを言っています。挙句に「AIに頼るところがダメ」とか、まるで見当はずれのAI批判までしていて、こういう時代遅れの人間が世の中には本当にたくさんいるんだなと改めて呆れてしまいます。どうしてシンプルに「暴力は絶対にダメ」だと考えられないのでしょう?きっと「戦争は絶対にダメ」だとも思ってないのでしょう。「昔なら当たり前」ですから。

 先ほど政権を擁護する連中と重なると書きましたが、こういう意見を持つ人たちは家父長制への憧憬が未だに根強いのだろうと思います。高市人気は中傷動画によって作られた虚偽のものであることが明らかになってきていますが、ただその動画に引っかかる層というのが一定数いたわけです。お父さんが一番偉くて、お母さんは従順で、子どもたちは親の言うことに口ごたえをせずに素直に従うというのが「あるべき家庭」だと思っていて、でもそういう家庭像は「古い」と一刀両断されているのが辛いのです。高市が目指す戦前の大日本帝国への回帰路線に心を惹かれるのも、阿部に同情するのも同じ心根からでしょう。選択的夫婦別姓制度や女性天皇、同性婚、LGBTQなどに異様なほどの拒否反応を示すのも「お父さんが一番偉い」教の信者だからだと考えるとわかりやすいです。



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