幹事クリタのコーカイ日誌2026 |
| 5月19日 ● ヴィレヴァン本店の思い出。 2月末に発表されたヴィレッジヴァンガード本店の閉店。建物の老朽化が理由で、いよいよ今月末をもって約40年の歴史に幕を閉じることになりました。閉店を前にして今日家族で最後に店に行ってきましたが、わざわざ開店当時の雰囲気に店内を変えて営業しているそうで、「あの頃」の雰囲気が甦って懐かしいやら寂しいやらでした。 僕が名古屋市天白区に引っ越したのは今から40年前、1986年の9月。25歳の時でした。当時はバブル景気直前で、これから不動産が上がると邱永漢(知らない人は調べてください)が言っていたので、それを信じてまだ「マンション不況」だと言われていたにも関わらずいきなり4LDKのマンションを購入。当時の金利はバカ高くて住宅ローンも6%くらい、でも貯金もしていなかったのでほぼ全額ローンを組みました。若くて無謀だったからできましたが、タイミングとしては最高のタイミングで、その直後からマンション価格は一気に高騰していきました。 当時の一番の趣味はマンガでした。テニスサークルもその年の1月に立ち上げていましたが、まだ安定してコートを確保することもできず、月に1回か2回程度の練習ペース。それよりも面白いマンガを探して書店や古本屋を妻と一緒に巡るのが趣味でした。amazonどころかインターネットもない時代ですから、マンガを探すには足で探すしかありません。名古屋のいろいろな本屋を巡っていて見つけたのがヴィレヴァンでした。 引っ越してきて2ヵ月が過ぎた頃、家から車で5分くらいのところにできた倉庫を利用してオープンしたばかりの本屋を見つけました。まだ客もそれほどいなかったのですが、明らかに趣味に偏った変な本屋だったことと、深夜まで営業していたので、夜更かしが好きな人間にとっては都合の良い店でした。サブカル系の雑誌や本が所狭しと並べられていて、マンガもたくさんあるけどジャンプ系のようなメジャーどころはあまり置いてないし、変なグッズもたくさんあるし、手書きのPOPに店員さんの思い入れが書かれていて中毒性が高い店だったので頻繁に通うようになりました。 東京から転勤してきた上司に「なにか面白い店を教えて」と言われて、一番のお勧めでヴィレヴァンを紹介しました。遊びに来た友人に家の近所の名所として連れて行ったこともありました。その時は喫茶「マウンテン」よりも喜んでくれました。週に一度は覗いて何か面白いマンガや本はないかチェックしていたし、ヴィレヴァンきっかけで読み始めた雑誌もいくつもありました。子どもが生まれてからは子連れでも行っていました。 1994年に長久手に2号店ができてから、少しずつヴィレヴァンが世に知られるようになり、それにつれて店のコンセプトが変わってきたのを感じました。サブカルというよりはポップに振った気がして、それは各地のイオンに出店するようになってから顕著になりました。もはやマイナーなマンガを探しに行く店ではなくなってしまい、ガチャガチャとした雑貨の店になってしまいました。足が遠のいたのは店のコンセプトが変わるとともに、ネットが普及したこともありました。10年で時代が大きく変わったのです。 テニスサークル創立、マンション購入、転居、結婚。人生の節目となった1986年に開店したヴィレヴァンは、僕にとって青春の最後の時代を過ごした思い出の場所です。そこが無くなるのは寂しいですが、それだけ長い年月が経ったんだなと納得もしています。 |