幹事クリタのコーカイ日誌2026 |
| 5月5日 ● いま気になる薄味マンガ。 年齢を重ねるとともに映画、ドラマ、小説、マンガなどフィクションで興味を惹かれるのは、歴史や社会、スポーツなどを扱った作品に偏りがちで、若い頃は面白く感じた恋愛モノが縁遠く感じるようになります。青春モノでも恋愛よりもスポーツなどを通しての成長がメインに描かれている作品の方が面白いです。そんな中、最近2つの恋愛マンガを興味深く読んでいます。どちらの作品もちょっと似た雰囲気を醸し出しています。 ひとつは昨年9月から少年ジャンプで連載が始まったヤマノエイの『さむわんへるつ』。主人公のミメイは高校2年生。勉強ができて生徒会長をしている優等生。深夜ラジオのリスナーでネタメールを送っているものの採用されずに落ち込んでいます。そんな時にクラスメイトのくらげが同じ番組のネタの採用率が高い名物リスナーであることを知り、リスナー仲間でありライバルでもあることから徐々に仲良くなっていく、という深夜ラジオを舞台にしたラブコメです。 とにかくラジオを聴いているだけで、動きが少なく事件も少なく、ただただボケの数だけが異常に多いという風変わりなマンガで、くらげが日常的に多発するボケをミメイがひたすら突っ込み続けます。徐々にふたりの世界は広がっていき、他の登場人物も増えてきましたが、それでもジャンプとしては珍しく知的で静かで上品な雰囲気を崩していません。「友情・努力・勝利」の基本線だけは守っていますが、派手なバトルもありません。良いマンガです。 もうひとつは少年サンデーで昨年11月から連載が始まった豊林サカネ『ふたりバス』。こちらは中学生の幼く淡いラブコメ、と言うか、ラブらしさもコメらしさも薄味で、青春の入口に差し掛かった年齢の微妙な心理描写が巧みなラブ未満コメディです。田舎町に住む中学2年生の春平は、小学校の同級生で唯一私立の中学校に進学したあんと同じバスで通学しています。しかし学校が違ってからはなかなか思うように話ができなかったのに、ある出来事がきっかけで1年振りに会話して色々と話すようになる、というストーリー。 中学2年生と言っても、都会の子どもと違って田舎のことなのでかなり幼いし素朴。それがまるで昭和の頃の中学生を見ているようで、僕のような昭和の人間も共感できる作品になっています。逆に言えば、今どきの中学生がこれを読んで共感できるのかどうかが僕にはわかりません。今のところ順調に話数が進んでいるので、それなりに読者には好評なのでしょう。大昔の青春小説を読んでいるようなもどかしさがあり、個人的には面白く読んでいます。少年サンデーよりも少女マンガ誌の方が似合いそうな作品です。 刺激と癖が強い胃もたれしそうなマンガに食傷気味の人には、どちらもお粥のように上品で薄味のマンガなのでお勧めできると思います。 |