幹事クリタのコーカイ日誌2023

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10月15日 ● 日本マラソンに未来が見えない。

 2024年パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われました。いろいろと揉めることが多かった五輪代表を一発勝負で決めるようになってから随分とスッキリはしましたが、その代表が全く勝てる気がしないのが日本マラソンの現状です。今日のMGCでは男子は小山直城が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁が2時間9分6秒の2位、女子は鈴木優花が2時間24分9秒で優勝、一山麻緒が2時間24分43秒の2位となりパリへの切符を掴みましたが、いくら土砂降りでコンディションが悪かったとは言え、このタイムでは世界と戦えるわけがありません。

 最近男女ともマラソンは世界最高記録が更新されました。男子は2時間0分35秒、女子が2時間11分53秒。全くかけ離れたレベルに世界は到達しています。仮に日本記録(男子2時間4分56秒、女子2時間19分12秒)を更新しても全然太刀打ちできません。かつて男子は瀬古利彦や中山竹通、宗兄弟が鎬を削っていた1980年代は世界トップクラスの実力を誇っていましたし、女子も高橋尚子、野口みずきの2000年代前半が黄金期でした。どちらも遠い過去の話です。特に女子の落ち込みは激しく野口みずきの2005年の日本最高記録を未だに更新することができないでいます。

 マラソンの実力低下と裏腹に国内での駅伝人気はどんどん高まっています。今や箱根駅伝の予選会までもが注目を集めるくらいです。普通に考えれば陸上界で駅伝だけが突出して人気が高いのですから、当然長距離に人材も資金も集まるし、記録も伸びるはずなのですが、そうならないのは駅伝人気が高いが故に、マラソンではなく駅伝にシフトし過ぎているせいだとよく専門家が指摘しています。せいぜい20kmの駅伝と42.195kmのマラソンでは練習方法も選手の意識も別物だということです。

 駅伝は大学名や企業名がクローズアップされるので力を入れやすいのはわかります。そのためマラソンよりも駅伝優先にならざるを得ない事情もあるでしょう。だったらいっそマラソンは諦めて駅伝をオリンピック種目にするようにロビー活動でもした方が良いのですが、「EKIDEN」の国際化は未だに道半ばです。と言うか、マラソン自体がアフリカ勢が強すぎて欧米では以前より人気が落ちてきているそうですから、駅伝を広めるのはもっと難しいでしょう。どうせやっても1位と2位はケニアとエチオピアで決まりですし。



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