幹事クリタのコーカイ日誌2023 |
10月11日 ● 藤井八冠誕生。 将棋の王座戦五番勝負の第4局、挑戦者の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖)が永瀬拓矢王座に勝ち、シリーズ3勝1敗で王座を奪取し、史上初の八冠独占を成し遂げました。21歳2か月でタイトルを全制覇するとは恐れ入ります。凄い、凄すぎると思いますが、この先はどこに向かうのかと心配にすらなります。 これまで全タイトルを独占したのは升田幸三実力制第四代名人が1957年に三冠、大山康晴十五世名人が1963年に五冠、そして羽生善治九段が1996年に七冠を独占したことがあり、史上4人目となりますが、タイトル戦が増えるごとに当然難易度は跳ね上がっていきます。その分、世の中の話題にもなりやすく、大山まではそれほど社会的な話題にはなっていませんでした。羽生の七冠達成から将棋界を超えて社会的なニュースになりました。 升田、大山、羽生と並べて比べても藤井の圧倒的な強さは際立っていますが、勝負事の常として惜しまれるのは藤井にライバルがいないことです。升田と大山は同門のライバルとして有名でしたし、大山の晩年には中原誠がいました。羽生には年上の谷川浩司というやはりレジェンドクラスの名棋士が壁となっていた上に、羽生世代と呼ばれる森内俊之や佐藤康光ら同年代のライバルがたくさんいて名勝負を繰り広げました。 藤井も年上には渡辺明、豊島将之、永瀬拓矢らがいますが、あっさりと彼らを蹴散らすようにタイトルを根こそぎ奪ってしまったので、今後は同年代や年下の棋士の成長や登場を待つしかありません。それまで藤井のライバルはなく、ただただAIを相手により将棋の高みをひとり目指すことになりそうです。 |