幹事クリタのコーカイ日誌2023 |
8月21日 ● VIVANTのバイオレンス。 この夏のドラマでダントツの話題作となっている『VIVANT』。豪華なキャストに金のかかったロケ、派手なアクションと複雑なストーリー。他のちまちましたドラマに対して内容で圧倒的な差をつけています。謎解きも面白く、しかもあまりにも謎が多すぎて、毎週どんどん謎が解明されていくのに、まだまだわからないことがたくさんあり、ネットでの考察も盛り上がるばかりです。 そんな『VIVANT』では近年日本のテレビドラマではほとんど見られなくなった凄惨な暴力シーンや殺人シーンが頻繁に登場します。最新の第6話ではテロ組織「テント」のメンバーを会議中に役所広司が日本刀で斬殺するシーンがありました。まるで『ゴッドファーザー』です。先週の第5話でも最終的には助けたものの、子どもたちを絞首刑にするシーンもありましたし、日曜夜9時のファミリー層が見る時間帯のドラマとしては随分と思い切った演出だと感じています。 今のところ特に大きなクレームがついたりしていないようなので良かったですが、見ていてちょっとヒヤヒヤしたのも事実です。個人的にはこういうバイオレンスなシーンもあった方が、ドラマもグッと締まって見応えが増すのでむしろ高評価なのですが、炎上が怖くてエロとバイオレンスを遠ざけ続けている日本のテレビで、よくここまで踏み込んだものだと、その勇気に感心しています。 『VIVANT』で今のところこうしたシーンが問題視されていないのは、作品自体の評価が高いからでしょう。バイオレンスなシーンを売り物にしているわけではなく、ドラマとして必要だから見せているということを視聴者がわかっているんだと思います。それくらい日本の視聴者のリテラシーは高いし、もっと言えば、子供騙しのようなオブラートに包んだ演出のドラマに飽き飽きしているんだろうとも思います。 『VIVANT』がヒットすることで、今後こうした妙な忖度のない本格的なドラマがもっと作られることを願ってやみません。そして二階堂ふみ演じる薫の裏の顔はなんなのか、単なる善意の医師ではないだろうと思っていますが、答え合わせが待ち遠しいです。 |