幹事クリタのコーカイ日誌2023

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7月10日 ● 時代遅れの頑固職人。

 松尾潔の事務所契約解除問題について、山下達郎がラジオで説明をしましたが、見事なまでにダメな発言を繰り返して大炎上をしています。これが生放送なら「口が滑った」「言葉足らずだった」などと弁解の余地もありますが、ちゃんと録音した上での放送ですから救いようがありません。本人が思ったことを過不足なく伝えたと考えられるわけで、誰も周りが止めなかったことも含めて、山下達郎は令和のこの時代についてこられていない人間だったということを示してしまいました。

 松尾が山下の発言に対していくつか訂正や指摘をしています。2人の関係性を殊更に遠いものだと印象づけようとしたとか、「契約解除」だったのに山下が「解雇ではない」と敢えて言葉を変えて言ったことなど、いくつかの印象操作があるという指摘で、それは僕も同様に感じました。山下のラジオだけ聴いたら松尾の主張の意図が変わって伝わりそうでしたし、それが実際に山下の狙いだったのでしょう。

 さらに重要な点は山下は松尾が契約解除されたのは「ジャニー喜多川氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であった」と言いましたが、「憶測に基づく一方的な批判」ではありません。すでに性加害があったこと自体は事実認定されていますし、それをジャニーズの社長も「知らなかった」けれども認めています。そもそも山下自身も「知らなかった」と発言しているのに、どうしてそれを憶測だと決めつけられるのでしょう。これでは山下はジャニーズ事務所の代理人のようです。

 挙句に山下は「作品に罪はありません」とジャニーズ事務所を擁護して人物と作品は別だと言いながら、「このような私の姿勢をですね、忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」と啖呵を切ったのです。全く人物と作品が別になっていません。俺の言うことを聞けないなら俺の客ではない、と言い放ってしまいました。僕のように山下の姿勢と音楽は別だと思っていた人間からしたら、それを言っちゃおしまいよ、です。

 山下はジャニー喜多川という古い馴染みのお得意さんをあくまでも守ったつもりでいるのでしょう。義理と人情の世界です。周りが何と言おうが、時代がどう変わろうが、自分は変わらない、ぶれないという姿勢です。サブスクもやらずSNSもやらず、ひたすら頑固に音楽職人を貫き通しているつもりだと思います。すっかり時代遅れになっているのに本人も気づいているのかいないのかわかりませんが、だったらせめて何も言わないで黙っていれば良かったのにと思います。そうすれば少なくとも頑固一徹な職人のイメージは守れたのに、その職人が表に出てベラベラ喋ったらいけません。寿司屋のオヤジが気に入らない客に文句をつけて「帰れ」と言っているのと同じで、もはや単なる「老害」です。ウン十年前に「タツローってカッコいい!」と思っていた頃が懐かしくも寂しいです。



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