幹事クリタのコーカイ日誌2023

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7月9日 ● 大関の大量生産時代。

 大相撲名古屋場所が始まりました。今場所の注目は、何といっても大関昇進を狙う3人の関脇陣です。この“関脇三銃士”は、若元春が元大関の御嶽海を寄り倒しで、大栄翔も元大関の正代を押し出しで、豊昇龍も翔猿に危うい相撲ながら押し倒しで破って、白星発進揃い踏みとなりました。まずは順調な滑り出しと言って良いでしょう。

 大関昇進の基準は直近3場所で33勝ですから、大栄翔が10勝、若元春と豊昇龍は11勝を今場所あげれば昇進の目安にたどり着けます。僕の勝手な予想では3人ともこれはクリアできそうな気がします。少なくとも大栄翔はいけそうです。あとの2人は前半戦次第ですが、気負わないタイプの若元春がすいすいといって、意気込み過ぎて空回りしそうな豊昇龍が逆に足元をすくわれそうかも。

 彼らに有利なのは、大関の貴景勝と霧馬山改め新大関の霧島が揃って休場していることです。つまり格上は横綱照ノ富士だけで、そこで1敗を計算するとしても、後はライバルの2人に負けてもまだ3敗。格下にひとつふたつ星を落とす余裕があります。そういう意味でも大栄翔は少し気楽で、若元春と豊昇龍は厳しいところはあります。もっとも大栄翔にしても5敗もして昇進では格好がつかないですから、できたら全員11〜12番くらいは勝ってほしいと思います。

 3人同時大関昇進は過去に例がないということで、もし実現したら一気に来場所大関が5人になります。つい先場所まで貴景勝が陥落したら大関がいなくなるという大ピンチに陥っていたのに、2場所で5大関時代とは番付のインフレが激しいです。上がいなくなったら、それを埋めるように下が上がるのは当然と言えば当然ですが、そんなに大関ばかり増えても、また陥落していくのではないかという懸念も当然生じます。

 最近は大関に昇進しても落ちる大関ばかりです。近年大関のまま引退したのは豪栄道くらい。その前は2010年に大関で賭博事件で解雇された琴光喜まで遡ります。これは八百長問題以降、ガチンコが増えたせいだと言われていますが、ガチンコだから負けるというよりは、ガチンコで怪我が増えて休場も多くなるからでしょう。何場所でも休める横綱と違って2場所連続で負け越したら陥落の大関は怪我をしっかり治す時間もありません。貴景勝が出たり休んだりしているのもそのせいです。

 こうなると今後も大関を大量に生産して、その中から怪我をしなかった力士だけが生き残るという大関の大量生産大量消費時代に変わっていくのかも知れません。いや、すでに現時点で平幕に御嶽海、正代、朝乃山、高安と4人もの元大関が揃っていますし、横綱になった照ノ富士や引退した栃ノ心もいました。すでに少し前からそういう時代に突入していると言っても良いでしょう。元大関だらけの番付が当たり前になる時代がきそうです。



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