幹事クリタのコーカイ日誌2023

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6月16日 ● 杉下北別府と200勝。

 プロ野球で200勝を達成した杉下茂と北別府学が亡くなりました。杉下は97歳。プロ野球選手としても長寿で、もはや長老の域すら超えていたような存在でした。なにせ川上哲治のライバルとして名を馳せた戦前から投げていた大投手です。フォークボールの神様として日本野球界に大きな貢献をした人で、特に中日ファンにとっては中日を代表する選手をひとり選べと言われたら、高木守道でも立浪和義でも山本昌でもなく、やはり杉下茂だろうと思います。1954年の中日初の日本一は杉下なくしてあり得ませんでした。

 97歳の杉下に比べて北別府はまだ65歳でした。白血病だったそうです。広島のエースと言えば長谷川良平、大石清、外木場義郎でしたが、その後を引き継いだ北別府は何といっても「勝てるエース」でした。弱い広島から強い「赤ヘル軍団」の顔として長年にわたりチームを引っ張りました。北別府以降、川口や大野、佐々岡、黒田、前田と広島のエースの系譜は繋がっていきますが、北別府の精密機械のようなピッチングが後の広島投手陣に与えた影響は大きかったのではないかと思います。

 2人とも200勝投手なので亡くなったことを大きく報道されていますが、本当は200勝したから価値があるのではなく、中日、広島を優勝に導いた絶対的なエースだったからこそだと思います。チームを勝たせ続けた投手が結果として200勝にたどり着いたというだけであって、200勝していなくてもその価値は変わりません。どこのチームにもそんなエースの称号に相応しい投手はこれまでも存在してきました。野球は記録のスポーツだけに、どうしても数字にとらわれがちですが、記録だけでは見えづらい部分にもできるだけスポットを当てて欲しいと思います。



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