幹事クリタのコーカイ日誌2023

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6月8日 ● 加藤未唯の優勝と考えるべきこと。

 こんな波乱万丈なドラマが現実に起きることに驚きます。女子ダブルスで衝撃の失格劇から始まった加藤未唯のドラマは、混合ダブルスでの優勝というフィナーレを迎えました。主人公の加藤、悲劇のパートナーであり準決勝の相手ともなったスーチャディ、栄光を支えてくれた混合ダブルスのペアのプッツ、敵役となった女子ペア、悲劇の引き金となったボールガール、演出した主審とレフェリー、そしてこのドラマを盛り上げたテニス界のレジェンドたち。マンガのようなキャラクターたちを配して、見事にどん底からの優勝という劇的な結末の脚本を誰が書けることでしょう。

 とは言え、エンディングのあとの後日譚もまだ気になります。まず、はく奪された加藤のポイントと賞金が返還されるかです。失格のままでペナルティもそのままなら、加藤の名誉回復はなされません。今さら失格を取り消しても再戦することはできませんが、ポイントと賞金が加藤に戻ってくれば、今回の失格という判断は間違っていたということの証明にはなります。加藤が望むのもそれでしょう。

 そして今後、こうした悲劇が繰り返されないように、きちんと失格という重大な決定を行う際には映像による確認を行うなどの規定を設けることが大事です。もちろん悪意はないとは言え、加藤のボールが不用意なものであったことは確かですし、ボールガールに当たってしまったことも事実です。選手は十分に気をつけなければならないということも再認識されたことでしょう。また相手ペアの失格を訴える執拗な抗議についてもスポーツマンシップにもとる行為だとして何らかの注意なり処分を与えるべきだと考えます。

 もう一点、検討することがあるとしたら、少年少女をボールパーソンとしてコート内に配する必要性があるのか、ということです。テニス界の伝統であり、その意義も理解できますが、ウッドラケットの大らかなテニスとは時代が異なります。猛スピードでボールが飛び交うコート内は危険な戦場です。そこにあのくらいのボールが当たっただけで泣きじゃくってしまうような子どもが立っていること自体が大きなリスクです。かつていた副審もとっくに廃止したのですから、ボールパーソンについてもなくしても困らないでしょう。今どきあんなに人手をかけて、しかもそれを子どもにやらせるということ自体が時代錯誤感があります。



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