幹事クリタのコーカイ日誌2023

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6月5日 ● 加藤未唯の失格事件。

 全仏テニスの女子ダブルスで日本の加藤未唯がボールパーソンの少女にボールを当てて失格になった件について、国内外で話題が広がっています。詳細はネットの記事など(こちらとか)を読んでいただければと思いますが、簡単な経緯は、故意ではなくボールパーソンに渡そうとして加藤が打ったボールが当たってしまった、すぐに加藤は謝罪し、主審も警告するにとどめた、ところが相手選手が執拗に加藤を失格にするように抗議して、ボールパーソンもずっと泣き止まなかったので、結局主審が判定を覆して失格にしたということで、ひとつは主審の不手際に、もうひとつは執拗に抗議した相手ペアの態度に非難が集まっています。

 過去にも2020年の全米オープンにおいてノバク・ジョコビッチのボールが線審を務めていた女性に当たってしまい、失格処分になったことがあります。ただこの時のジョコビッチはストレスを発散するようにボールを打って、それが偶然線審の女性に当たってしまったのですが、加藤の場合はコートに転がっているボールをプレーの邪魔にならないようにボールパーソンに渡そうとして打ったので事情が違います。当たってしまったのは不運でしたが、すぐに謝罪もしていますし、主審が最初に警告にとどめたのは妥当でしょう。

 なのに当たったところを見ていなかったにも関わらず、執拗に加藤を失格にするように抗議した相手ペアに非難が集まるのも無理ありません。この件に関しては、多くの選手が失格を宣告されてポイントと賞金を没収された加藤に同情的で、逆に抗議に成功して試合をものにした相手ペアは非難されています。彼女たちはトーナメントを勝ち上がったということに比べても、はるかに大きなものを失ったかも知れません。テニスで一番大切にすべきことは、貪欲に勝利することよりも、対戦相手へのリスペクトと、フェアプレーの精神です。それを失ったらテニスではありません。

 なお加藤は混合ダブルスでも勝ち上がっていて、ベスト4進出を先ほど決めました。2017年の全豪女子ダブルスに続く加藤にとって2度目のグランドスラムのベスト4です。混合ダブルスは上位シードがすでに敗退しているので加藤ペアにもチャンスがあります。ぜひ女子ダブルスの雪辱を果たして決勝進出、そして優勝を勝ち取ってもらいたいものです。



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