幹事クリタのコーカイ日誌2023

[ 前日翌日最新今月 ]

5月19日 ● 歌舞伎とジャニーズの危機。

 市川猿之助の事件はまだ真相がわからないままですから、あまりどうこう言うことは控えますが、大スターをこういう形で失う(亡くなったわけではないですが舞台への復帰は困難ではないかと思います)ことになると、歌舞伎に対するイメージダウンは大きいですし、中村勘三郎、市川團十郎、坂東三津五郎と、この10年間くらいに50代60代で次々と客を呼べる看板役者が亡くなっていったのに、まだ若い猿之助まで舞台を降りてしまって人材不足も甚だしいことになりました。

 たださえ伝統芸能はファンの人口も減少していて、興行的にも苦しいところでしょうし、人気も知名度もトップクラスの猿之助がいなくなったことで、苦境にますます拍車がかかりそうです。きわめて閉鎖的な階級社会で理不尽なことも多く近年イメージが悪いのに、大名跡を継いだ当代の團十郎も評判が散々ときては、踏んだり蹴ったり。驚くような改革を行えばイメージが一新されるかも知れませんが、恐らくそんなことは誰もやろうとしないでしょうから、10年後、20年後にはどこまで衰退していることやらと思います。

 同様に閉鎖的で特権的な組織であるジャニーズ事務所。性加害報道によって逆風にさらされています。ジュリー景子社長の謝罪動画も火消しにはならず、むしろ危機管理ができていないと叩かれる始末。週刊文春はもちろん、TBSも珍しくきっちり報道をしていますし、NHKでも取り上げました。まだ他の出版社や民放は相変わらず様子見を決め込んでいますが、バベルの塔も崩壊寸前ではないかという見立てもできます。

 近年退所した元ジャニーズたちは、これを奇貨として地上波復帰を狙っているようにも感じられます。火事場泥棒と見る向きもあるかも知れませんが、これまでのジャニーズ帝国の在り方そのものが異様でしたから、これをきっかけに是正されるならそれは良いことだと思います。また性加害というのは世界的にも、もはや見過ごすことはできない犯罪そのものになっていますから、しっかりと膿を出すべきです。

 特権的な地位にいた閉鎖的な社会が徐々に許されなくなってきている時代です。次はどこが改革を迫られるのか注目です。まだまだ日本には多くの似たような組織や社会がありますから。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」