幹事クリタのコーカイ日誌2023

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4月26日 ● 回転をかける感覚。

 テニスはラケットでボールの回転をコントロールする競技です、と言っても、テニスをあまり知らない人や経験したことがない人にはわかりにくいかも知れませんが、ボールのスピードや軌道を変えるのはラケットを振るスピードや角度を変えるよりも回転の量や回転方向を変えることでスピードや軌道に変化をつけるというのが現代のテニス理論なのです。

 木のラケットを使っていた40年以上前の時代のテニスは全然違いました。まずラケットの真ん中にきちんと当てることが大変でしたから、回転をかけることは二の次でした。真ん中に当てて押し出すように打つことでコントロールが安定するというのが当時の理論です。当然ボールに回転はあまりかかりません。僕のようにウッドラケットでテニスを始めた人間は、なかなか回転をかける感覚を身につけられないままに長年テニスをしてきました。

 ラケットの進化は日進月歩です。今ではかなりラケットの真ん中から外れたところに当たっても、性能が良いのでボールはきちんと飛んでいきます。そうするとラケットのスイングスピードを上げて思い切り振り切っても大丈夫になるので、ボールに回転もかけやすくなっています。テニスに関しては勉強熱心な僕は理論的には随分と詳しくなったのですが、先に書いたようにその理論を具現化する感覚をテニスを始めた最初に身につけていないので、なかなか現代テニスの打ち方が馴染みません。

 それでも継続は力なりと言うか、古いタイプのテニスをベースにしながらも少しずつ自分の中でモデルチェンジを繰り返していくと、いつの間にか回転量や回転方向をコントロールする感覚がわかってきます。最近では以前よりも回転量の増減でスピードを変えたり、ボールの軌道を変えることができるようになってきました。これができるようになるとプレーの幅がぐっと広がってきます。

 フォアハンドストロークだけでも、ネット際で沈むように打ったり、ネットの高いところを通してベースラインの近くに落ちるように打ったり、スピンロブやショートクロスなどダブルスで役立つネットに出てきた相手をかわすショットも打てるようになります。これができないと相手にネットに詰められたら打つ手がほとんどなくなります。野球に例えれば速球だけで勝負する投手みたいなもので、やはりダルビッシュのように様々な回転をかけた球種を投げわけることで速球も生きるのです。

 まあ有体に言えば60歳を過ぎて速球の威力は衰えるばかりですから、何とか変化球を投げて誤魔化さないと勝てないという話です。それでも20代30代の若者に勝つのはなかなか大変です。足の速さ、肩の強さ、瞬発力、スタミナ、視力など多くの面で全く勝負にならなくなってきています。勝つには技術とメンタルと戦術しかありません。



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