幹事クリタのコーカイ日誌2023

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4月12日 ● 落合と田淵と山内。

 落合博満と田淵幸一が落合のYouTubeチャンネル「博満の部屋」で対談をしています。そこでかつてバッティングについて教えられた山内一弘のことを話しています。打撃の職人で教え始めたらとまらない「かっぱえびせん」と言われた山内ですが、落合も田淵も山内の言っていることが新人時代には理解できなかったと口を揃えて言っています。落合にいたっては「もう教えないでください」とコーチングを拒否までしたというのです。新人がよく監督である大選手に言えたものです。

 それくらい山内の打撃理論は独特で難しかったのでしょう。ところが落合も田淵も数年後に山内の言っていたことをできるるようになったというのです。山内の教えた打撃理論が彼らのレベルを超えていたから理解できなかった、彼らがレベルアップすることで山内に追いついたわけです。教える方も教わる方も一流だからこその話ですが、多くの示唆に富んだ話だと思いました。

 まず教える方としては相手のレベルをきちんと把握しないと効果的なコーチングはできないということ。これはよくわかります。わかりますが、教える側にはかなりの自制心が必要になります。その先にある正解を知っているのですから、それを敢えて教えないで我慢するのは忍耐が必要です。でも教わる方としては先のことを言われても消化できないのでストレスになるばかりです。

 教わる側はわからないからと言って安直に拒絶するのはもったいないということ。わからなくても言われるままにトライしてみることは大事です。僕もテニス、サックス、ピアノ、ボーカルと習い事をたくさんしているので、教わる側の心得として先生のいうことは信じてやってみるようにしています。教える方だってすぐに「できない」「やりたくない」と言われたら教える情熱を失ってしまいます。やってみてうまくいかない時には先生に率直に相談して話をすることで道が開けるかも知れません。

 良い先生になるための技術や心構えを教える側は学ぶべきだと思いますが、教わる側も良い生徒になるための心得を身につけた方が、よりお互いにメリットが大きいと思います。後になってわかることって、本当に人生では多いなと最近よく感じるので。



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