ＮＨＫの朝ドラ『らんまん』が２週目に入っています。１週目から４年が過ぎて今週から子役も入れ替わりました。どうやら今週までが子役が演じる幼少期の話で、来週には神木隆之介が登場して青年期に入るみたいです。朝ドラは子役の時代が長過ぎると子役に思い入れが生じてしまうため、このペースがちょうど良いくらいだと思います。

　ここまでは可もなく不可もない展開です。特に変わったことは起きず淡々と主人公の家庭の状況や江戸から明治への時代の変化を描いています。少々淡々とし過ぎているというか、説明的な展開が続いてドラマとしてはあまり見応えがありません。長年の朝ドラファンなら慣れていることでしょうが、僕のように『あまちゃん』とか『カムカムエヴリバディ』のような朝ドラとしては冒険的な手法を取った作品が好きな人間には退屈な２週間になっています。

　それでも我慢して見ているのは、来週以降の大人になってからの主人公が自由奔放に好きな植物学にのめり込んでいく姿を楽しみにしているからです。モデルになっている牧野富太郎は本当に好き勝手に生きた人物ですが、そういう爽快なまでの自由さをドラマでうまく見せてくれることを期待しています。また主人公の神木だけではなく、浜辺美波ら豪華キャストが周囲を固めるはずなので、それも楽しみにしています。今のところは松坂慶子の存在感だけがドラマを支えています。

　もうひとつは明治の文明開化の時代の空気感が好きだからです。もちろん当時にもいろいろな闇はありますが、司馬遼太郎『坂の上の雲』に代表されるように明治時代というのは日本という国の青年期であり、新しいものがどんどん入ってきて時代が激しく変化していく前向きで明るい時代です。今回の主人公も日本の植物学の草分けとなっていくわけですから、そうした明治人の代表的な人物のひとりです。もちろん大河ドラマではなく朝ドラなので歴史ドラマとしての期待はそれほどしていませんが、明るく前向きのドラマになることを楽しみにしています。