幹事クリタのコーカイ日誌2023

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4月3日 ● 坂本龍一逝く。

 坂本龍一の名を初めて知ったのはもちろんYMOのメンバーとしてでした。当時は大学生でしたが、テクノというのは斬新過ぎて僕の中では「新しいことはわかるけど、好きかと言われると微妙」という感じでした。これが最先端のカッコいい音楽なんだと思っても、まだ血中歌謡曲濃度が高い頃なので、テクノとの距離があり過ぎました。多分当時の大学生のマジョリティは似たようなものだったのではないかと思います。

 その頃の若者音楽の主流は松田聖子を代表とするアイドル歌謡と、ユーミンやサザン、オフコースらニューミュージックで、洋楽ならマイケル・ジャクソンやクイーン、ビリー・ジョエルあたりが尖っていない一般学生には受けていました。もちろんアメリカから逆輸入のYMOはインパクトがあったし、最先端でカッコ良いのは間違いなかったので、「関白宣言」のさだまさしが好きと言うよりはYMOが好きと見栄を張って言う場合も多かったと思います。

 その後YMOは散開しますが、その前後に坂本龍一は活動の場を広げます。忌野清志郎と組んでシングル『い・け・な・いルージュマジック』をヒットさせ知名度を一気に上げ、さらに映画『戦場のメリークリスマス』に出演して、その映画音楽もブレイク。ついには『ラストエンペラー』でアカデミー作曲賞を受賞して、押しも押されもせぬ日本を代表する音楽家になりました。まだ外国の保証書付きが今よりはるかに価値があった時代でした。

 ダウンタウンと組んでエキセントリックなお笑いをしたり、リゲインのCMソングが大ヒットしたりと活動の幅を広げるとともに、徐々に社会活動にも積極的になり、環境問題や原発、世界平和などについての発言も増えました。ある意味、我々の兄貴世代としてずっと筋の通った生き方をブレずに続けていて、その生涯自体が一個の芸術作品として完成されていたと思います。最後までカッコいい人でした。ご冥福をお祈りいたします。



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