幹事クリタのコーカイ日誌2023

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3月19日 ● 丁寧だった『リバーサルオーケストラ』。

 今週水曜日に最終回だった『リバーサルオーケストラ』。久しぶりに良質なドラマを見ました。始まるまでは「のだめのパクリ」だとか「ベタ過ぎる設定」だとか言われていましたが、実際に最終回までの10回を通して見たら、本当に丁寧に作られた良いドラマだったと思いました。満足度が高いです。続編も作って欲しいですが、多分そこまで視聴率も高くなかったし話題になっていなかったようなので続編はないのかも。

 まず脚本を褒めましょう。『エール』の清水友佳子。彼女はピアノ講師の経験がありクラシック音楽に詳しいからだと思いますが、オーケストラの細かい描写やストーリーに合った選曲など無理がない範囲で巧みにドラマを作っていました。もちろん専門家が音楽監修についていて、演奏も神奈川フィルが全面協力しているのですから、極力おかしなところは修正されたのでしょうが、やはりストーリーの骨格を作る脚本家の理解度が高くないとこういうドラマは作れないでしょう。

 次に演出も丁寧でした。ベタな設定だと言われましたが、ベタな設定であっても丁寧に演出を積み重ねていくことで見応えのあるドラマができるという見本です。奇を衒えば良いと言うものではないことを改めて示したと思います。見ている方がついていけないような演出をして、SNSで話題になることを狙ったようなドラマ作りは邪道です。変なところにひっかからないでドラマに集中できる演出こそが王道です。

 そしてキャスティングが素晴らしかったです。いわゆる「数字の取れる」キャストはせいぜい田中圭だけ。主演の門脇麦は売れっ子ですが演技派として癖のある役が多いだけに、こういう素直な女性の役は珍しいですし、それ以外のキャストは知名度よりも演技力で選ばれた感が強く、それぞれが役柄にピッタリはまっていました。恐らくキャスティングをしたプロデューサーが眼力があるのでしょう。安定感のあるベテランと、いま「きている」俳優をたくさん選んでいます。

 そして毎回演奏をしっかりと時間をかけて聞かせてくれました。音楽好きとしてはそうあって欲しいと願っている通りでした。予算をあまりかけないで、でも全てにクオリティ高くしっかりと丁寧に作られたドラマでした。



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