幹事クリタのコーカイ日誌2023

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3月11日 ● セダンはマニア向けか。

 野球の話も少し飽きたので、今日は気分転換に車の話です。いま自動車業界は圧倒的にコンパクトカーが人気です。なぜか。何といっても価格が安いからです。収入が伸び悩んでいるのに車は高額になるばかり。若い人たちに限らず普通のサラリーマンが無理しないで新車を買うなら軽自動車かコンパクトカーになってしまいます。そして、その次に人気があるのがSUV、ミニバン。スペース効率に優れていて乗り降りしやすく、そして見切りが良いので運転が下手でも安心だからです。もちろん流行っているということもありますが、流行だけでは高価な車は選べません。大勢で乗れる、荷物が詰めるというわかりやすい利便性が優先された結果です。

 かつて人気があったセダンやスポーツタイプは絶滅危惧種になりました。理由は背が低くて狭くて不便なのに高価だからです。ただセダンが高価なのは車の形のせいではありません。売れないから利益率が高い高価なモデルしか販売していないだけです。僕が近所で見かけるセダンなんてベンツ、BMW、レクサスばかりです。トヨタはセダンのラインナップが減ったとは言えまだそれなりに揃っていますが、日産もマツダもホンダもスバルも、セダンを用意しているのはごくわずか。かつてはエントリーからハイエンドまでのセダンをどのメーカーも揃えていたのに、今はセダンが欲しくても選択肢が減るばかりです。

 ではなぜ高価なハイブランドのセダンだけが生き残っているのかと言えば、セダンの利点が実用性以外のところにあるからです。低重心による走行安定性とか、騒音や振動、揺れを軽減できる快適性といった、かつては重視されていたのに、今のユーザーにはあまり重きを置かれていないところがセダンの良さだからです。なによりセダンにはドライバーにとって車を操る楽しみがあります。家族と荷物を乗せながらも、単なる運転手にならないでドライバーとして運転を楽しめるのがセダンの一番のメリットです。

 ただ安定性、快適性、そして趣味性は車を持つメリットとしてはプラスアルファであって、「駆け抜ける喜び」といくらBMWが謳っても、それに反応するのは一部のマニアばかり。それよりも利便性が今の車には求められてしまいます。しかもSUVでも走行安定性や快適性がかなり昔より向上したので、セダンは単なる不便な贅沢品になりました。それでは富裕層がユーザーのハイブランドしかセダンを用意できません。セダン復権への道は厳しいです。僕のように車の基本形はセダンだと思っている古い人間は今後ますます選択肢が狭まるばかりですから、セダンとともに近々絶滅していくのでしょう。



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