幹事クリタのコーカイ日誌2023

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1月23日 ● 国枝慎吾に国民栄誉賞を。

 世界的な車いすテニスプレーヤーとしてレジェンドである国枝慎吾が引退を発表しました。世界ランキング1位のままの引退です。1位なのですからもちろんまだまだできると思いますが、本人にしてみれば完全にやり切ったということなのでしょう。そう思うに相応しいだけの実績も残しています。グランドスラムで何と単複合わせて50回の優勝という歴代男子の最多記録、生涯ゴールデンスラム達成、パラリンピックでシングルス3個、ダブルス1個の計4個の金メダルも獲得しています。

 国枝の凄さは車いすテニスのプレーレベルを一気に引き上げたことです。それまで車いすテニスではバックハンドはスライスでつなぐだけでしたが、国枝はトップスピンでダウンザラインを狙ってエースを奪いにいきました。攻撃的でスリリングなテニスへと車いすテニスが変貌したという革命を起こしたことが、その輝かしい実績だけではない国枝の功績です。これはフェデラーと似ています。フェデラーもそれまでのテニスをより一段と攻撃的でアグレッシブなものに変えました。テニスを面白くしたという点でも国枝とフェデラーは近いのです。

 国枝の引退発表でネットでは「国民栄誉賞を」という声が上がっています。恐らくそうはならないだろうとは思いますが、それに相応しいアスリートであることは確かです。僕は国民栄誉賞なんて時の政府の人気取りだと思ってはいますが、車いすプレーヤーが受賞するようなことがあれば、その意義は大きいでしょう。日本のパラスポーツの地位と認知の向上に国枝は大いに貢献しました。国枝が受賞することで、さらにパラスポーツが認められるようになるなら、国民栄誉賞の意味も十分にあるだろうと思います。



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