幹事クリタのコーカイ日誌2023

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1月20日 ● 5類で大丈夫なのか。

 岸田首相は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザなどと同じ5類に引き下げる考えを明らかにしました。5類への移行にともない、医療費は原則公費負担がなくなります。感染者および濃厚接触者の待機期間はなくなる見通しです。そのほか、マスクの着用は屋内でも原則求めない方向で検討するとしています。いまコロナは第8波の真っただ中で、死者数はこれまでとは桁違いに増えています。それなのにこの3年間のコロナ対策とは全く相容れない 方針を取って本当に大丈夫なのでしょうか。

 コロナを5類に引き下げることで医療機関が重症者対応に集中できるという意見もあります。もちろん経済を回したいという狙いが一番だとは思います。日本人だけが世界でマスクをしているともよく言われているので、世界標準に合わせたいということもあるのでしょうし、公費負担を減らしたいという懐具合の問題もあるかも知れません。

 反面、5類にしたら民間の医療機関は儲からなくなるコロナ病床を減らし発熱外来もやめるだろうという予想がされています。これから発生する変異株への対応は遅れ、国民の感染対策への意識は薄れ、ワクチン接種も進まないので免疫力は下がり、結果として感染者数や死者数のさらなる増加が起きることでしょう。

 若い世代は感染しても多くの場合は軽症で済んでいます。対して高齢者の死者数はうなぎ上りです。5類にするということは、旅行や飲食やイベントへの参加を促しますから経済は活性化することでしょう。屋内でもマスクをせず、感染しても待機期間を設けないのですから、感染リスクはかなり高くなります。死亡率が高い高齢者や基礎疾患がある人は恐ろしくておちおち外出もできません。

 5類にすると若者は生活を楽しめますが、高齢者は死のリスクに晒されながら暮らすという世の中になります。高齢化社会が進む日本ですから、これをきっかけに高齢者を減らして福祉や年金にかかる費用を削減しようという裏の狙いでもあるのでしょうか。高齢者に片足突っ込んでいる僕としては、かなり複雑な気分です。



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