今年のドラフト会議はドキドキ感がないまま終わりました。例年のようにドキドキしない理由は、ひとつは目玉選手がいないこと、もうひとつは事前に１位を各球団が公表していたことにあります。もっともこれは目玉選手がいないから事前に公表できたという面もありますから、本当は理由はひとつしかなかったのかも知れませんが。

　９球団が１位を公表して、公表されていたのに指名が被って抽選になったのは高松商の浅野（巨人と阪神）、立大の荘司（楽天とロッテ）の２人。どちらも事前に公表していた巨人と楽天が交渉権を獲得しました。あとは公表していなかったDeNAも含めて一本釣りに成功したわけで、とてもすんなりと進んだドラフトになりました。

　比べてみても飛び抜けた選手がいないから、それぞれがチーム事情を考えて選べたわけです。ドラフトとしては大した成功も失敗もない結果に落ち着いています。となると、今後比べられるのは育成力。育て下手な巨人や中日はちょっと心配かも知れません。育成に自信があるソフトバンクあたりは、こういう時のドラフトで力を発揮しそうです。

　中日に限って言えば、立浪監督は「満点」だと言っていますが、果たしてそうなのでしょうか？即戦力の本格右腕の仲地、二遊間を固める村松と大学生を上位指名したのは手堅いところですが、一番の補強ポイントである長打力のある即戦力野手は今年もなし。ただ今年は地元選手優先ではなかったので、そういう点では本当に欲しい選手を指名できたのだろうと思います。ただ誉高校のイヒネはソフトバンクが事前に１位を公表していましたから無理せずで良いのですが、名城大の野口は指名がどこからもありませんでした。下位でも中日が指名にいかなかったのは意外でした。捕手は何人いても良いと思いますけどね。