椎名林檎が発売する予定だったリミックスアルバムのグッズが、ヘルプマークにデザインが似ていることが問題になって、今日デザインを改訂するとユニバーサルミュージックが発表しました。話題になって10日過ぎてようやくの発表だったので「対応が遅すぎる」という声もあるようですが、確かにもっと早めに対応をした方が良かったでしょう。恐らく対応策で意見が分かれたのか、法的なチェックに時間がかかったのかも知れません。

　僕が気になるのは、今回のグッズのデザインは明らかにヘルプマークに似ているのですが、それが意図的だったのかどうかということです。まさかヘルプマークを知らずに作ったというのだったらデザイナーの勉強不足だし、それを通した周りもチェックが杜撰です。そうではなくて、故意に似せて作ったのだとしたら、コンプライアンスに対する認識が甘かったというしかありません。多分「面白いじゃん」というノリで作ってしまって、問題になったことでどう対応するか困っていたんじゃないかと思います。

　最近のデザイナーは本当に大変です。新しいモノを作ったつもりでも、ネットで世界中の図案から似たものを見つけられて「パクリ」だと言われてしまうし、パロディをやってみたらコンプライアンスで引っかかってしまいます。今回の件は相手が有名ですし、しかも人命にも関わりかねないので、より慎重にチェックすべきでした。強いて良かったことと言えば、この騒動でヘルプマークについての認知と理解も上がったことでしょう。せっかくマークを付けていても誰も知らなくて助けてくれなかったら意味がありません。

　できたらここまで何のコメントも出していない椎名林檎自身が、ヘルプマークについてきちんと向き合う姿勢を表明して、より世の中に広がるように協力した方が良いのではないかと思います。それだけの影響力があるアーティストなのですから。