幹事クリタのコーカイ日誌2022

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8月26日 ● パワーかテクニックか。

 テニスプレーヤーにはパワーで押していくタイプとテクニックで勝負するタイプがいます。パワー系の選手は概して大柄で、小技はあまり使わずに力で相手を圧倒していくプレイスタイルで、安定感に欠けるものの調子に乗ると手がつけられません。テクニック系はタッチに優れているので、コントロール良く回転をかけたり前後左右に揺さぶったりして駆け引き上手です。プレーに爆発力はありませんが、粘り強く安定していることが多いです。大坂なおみは典型的なパワー系で、錦織圭は典型的なテクニック系です。

 我々のような一般プレーヤーでも、下手なりにどちらかの傾向がみられます。自分がどちらのプレーが好きかということもありますが、持って生まれた身体的な特徴から、好むと好まざるとに関わらずどちらかに寄っていくのは仕方のないところです。僕のテニスは明らかにテクニック系で、これはテニスだけではなく他のスポーツでも同じです。野球でもサッカーでもバスケでも柔道でも、何をやっても「いぶし銀」「業師」の職人的なプレースタイルを目指してしまいます。

 そうなった原因は早生まれのせいか子どもの頃に小柄だったことにあります。小学校に入学した時にはクラスで1番か2番に小さく、小学校時代は卒業するまで常に小柄な方で6年生の時でも138センチしかありませんでした。中学生になってから一気に身長が伸び、高校入学時には170センチを超えて人並みになり、さらに柔道部で鍛えたせいで筋肉もがっつりつきましたが、12歳までに身につけた小さいなりに大柄な子に対抗するやり方が完全に習い性になってしまいました。

 20〜30代の頃は「筋力があるんだからもっと思い切り振ったら」と先輩からアドバイスされていましたが、性格的にエースとエラーが紙一重みたいなギャンブルテニスは全く性に合わなかったので全然そういう気にはなれませんでした。あくまでも6割程度の力できちんとボールをコントロールして、相手の裏をかいて省エネで勝つテニスが好みでした。とは言え、レベルが上がってくるとそうそう相手もミスをしてくれない上に、甘いボールは叩き込まれるようになります。そうなると自分でもある程度は相手を押し込んでいけるようなボールの必要性も感じてきたので、ようやくアラフィフになって普通とは逆により力強いテニスを目指して改良を重ねるようになりました。

 自分のテニスは少しずつ方向転換をしていても、ファンとして応援するならやはり神業を連発するテクニシャンなプレーヤーが好きです。だからフェデラーも錦織もツアーにいない今は見ていてもいまひとつ盛り上がれません。40歳を過ぎたフェデラーはもう仕方ないにしても、まだ30代前半の錦織は何とか復活してほしいと強く願っています。



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