幹事クリタのコーカイ日誌2022

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7月14日 ● 豆柴の逃走。

 うちの4歳になる豆柴は「おいで」ができません。名前を呼んで「おいで」と言っても知らん顔です。呼んでも来ないくせに、来なくても良い時にやってきてちょっかいを出すところは猫のようです。柴犬は洋犬と違って自立心が強くて飼い主にあまり近づいてこない傾向にあるとは聞いていましたが、それにしても自由で困ります。とてもじゃないけどリードから放して芝生の公園で遊ばせるなんてできないし、ドッグランに連れていっても戻ってこないのは確実なので連れていけません。

 散歩の時も心配なので、特に力の弱い妻が連れていく時にはリードを絶対に手放すなと言っているのですが、今日妻が散歩に連れいって30分くらいしたところで「逃げた」と連絡が入りました。パニックになっていて要領を得ないのですが「首輪が外れた」「墓地にいるけど場所がうまく説明できない」などと言っています。娘が何とか大まかな位置を聞き出して、2人で車で近くまで乗りつけました。我が家の近くにある霊園は広大で、犬を散歩させるには良いのですが、時にとんでもなく遠くまで歩いていってしまうので車で向かう方が早いのです。

 一報が入ったのが18時過ぎ。雨も降っていて現地に着いた時にはすでに暗くなりかけていました。しかも「見失った」というではありませんか。絶望的です。側にいて捕まえられないというくらいのことなら3人で囲めば捕まえられますが、端から端まで歩けば30分以上かかる広大な霊園のどこにいるのかもわからなくなってしまっては発見は困難です。丘陵地帯でアップダウンは激しいし、道は曲がりくねっていて、墓地なので木々も草も生えていて、もちろん墓石があって見通しはきわめて悪い、その上に夕暮れ時で雨が激しく降っています。

 3人で分かれて声を出して呼び掛けながら探しますが、どこかに隠れていたら到底見つかるものではありません。散歩で愛想よくしてくれる花屋さんや近隣のマンションの管理人さんにも見かけたら教えてくださいと頼み、もしかしたら家に戻っているのではと見にいきましたがいません。雨は土砂降りになり、日が暮れて灯りもない墓地はますます暗く、たとえ近くに犬がいたってほとんど見えません。雨の中、暗い墓地を大声を出しながら歩き回っている家族は他人が見たらもはやホラーです。

 小一時間ほど歩き回ってこれはもうダメかと思った頃に、妻から「見つけた」と電話がありました。ただかなり遠いのですぐには行けません。とにかく次に見失ったらもう見つけられないから絶対に目を離すなと言って駆け付けようとしますが、そもそも広い霊園のどこにいるのかわかりません。娘とふたりで電話で聞いた話から探し回りますが、なかなか見つかりません。

 ようやく娘が妻と先に合流して、何とか2人で前後から追い込んで確保したのが夜8時直前。僕がたどり着いた時には娘に抱きかかえられていました。逃走から確保まで2時間近くかかりましたが、それでも2時間で捕まえられて良かったです。もう朝まで無理かと覚悟していましたし、警察にも電話して次は保健所に電話しようかと思っていた矢先でしたから。

 犬もびしょ濡れですが、人間もびしょびしょです。冬なら間違いなく風邪を引いているところです。逃げられないようにびしょ濡れの犬を抱きかかえて家まで10分以上かけて歩いて帰ってきました。発見場所はいつもの散歩コースでした。遠くで失踪してもいつもの場所までは戻ってくる程度の帰巣本能はあったようです。何回もその辺りは通ったのですが、隠れていたのかわかりませんでした。妻が見つけた時はひょっこり墓石の陰から出てきたということです。お腹が空いて出てきたのか、かくれんぼでもしていたつもりなのか、全然反省の色が見えませんでした。



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