幹事クリタのコーカイ日誌2022

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6月18日 ● 資産所得倍増計画。

 岸田首相が「資産所得倍増計画」をぶち上げた効果は、これまで「投資は怖い」と預貯金しかしていなかった層にもある程度の効果を上げているのかも知れません。テニスサークルのAくんは石橋を叩くどころか、遠くから石を投げるだけで近づくこともしないリスク回避主義者で、マンションを即金で買えるくらい普通預金に貯め込んでいます。とにかくお金を使うのが嫌いなので、実家暮らしで40代半ばにして独身。しかもお坊ちゃま。給料は安くてもどんどん預金残高が増えていきます。

 数千万円を普通預金に入れっぱなしで、特に使いもしないというのは、このご時世にあまりにももったいない話なので、これまでも何回も自己投資をするか、もしくは株式などでの資産運用を勧めてきましたが、全く言うことを聞きません。彼の頭の中には「投資は博打」「株は触るな危険」という強固な呪いがかかっているようです。

 今日は時間があったので改めて頑固一徹なAくんにもわかるように説明をしました。「いま日本のインフレ率が2%、Aくんの普通預金が6000万円。単純計算で年に2%ずつ目減りしていくとすると、いくら1年で損をする?」「わかりません」「じゃあ6000万円の1%は?」「60万円」「と言うことは2%だから年に120万円減っていくということだよ」「はぁ」「ではその6000万円を年5%の利回りで運用したら?」「わかりません」「60万円の5倍の300万円だよ」「はぁ」「つまりこのまま放置しておいたら120万円損をする、運用したら300万円得をする、差し引き420万円の差。つまり現状はAくんの年収分の損をしているということ」「えっ?」。えっ、じゃねーよ。

 「それが岸田首相が言う資産所得倍増ですか?」「意味はちょっと違うけど、Aくんの場合はまさに年収分だけ得をするから倍増ということでは間違ってないね」「なるほど、ちょっと親に相談してみます」。40代半ばにして未だに親に相談するというあたりがAくんらしいのですが、とにかくこれまで怖がっているばかりで全く動こうともしなかったのに、岸田首相の言葉でようやく考えてみる気になったようですから、こういう人たちには政府のお墨付きというのが大事なのだろうと思います。自民党の言うことなら聞く耳を持ち合わせるんですから、そりゃ岸田首相の支持率が高いわけです。

 僕はAくんの老後を心配しているわけではありません。お坊ちゃんなので将来的には親の遺産ががっぽり入ってきますから、普通預金のままにしておいても問題ないし、投資で失敗したところで使う当てもないお金ですから、特に生活に困ることもないはずです。ただ預金に数千万、もしくは億単位で貯め込んでいる人たちが株式市場にどっと参入してくれたら株価は上がります。Aくんの資産が倍増するだけではなく、僕の資産も倍増はしなくても大いに助かります。株価が上がって困る人はいないのですから、岸田首相にはもっと頑張って旗を振ってもらいたいものです。まずは具体的にNISAをどう拡充していくのかだけでも早く発表して欲しいです。



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