幹事クリタのコーカイ日誌2022

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5月15日 ● 何者にもなれなかった60代。

 60代男性芸能人の自死が続いたことを契機にいろいろなことが書かれています。僕は自死そのものについて何かを書く気にはなれませんが、そのいろいろなことの中にあった「60代男性は何者にもなれなかったことに絶望する人もいる」という論を読んで、「なるほど」と「そうなの?」という相反する両方の感想を持ちました。

 確かに60代になれば自分の人生の「評価」がかなり見えてきています。中には伊能忠敬のように晩年になってから大きな業績を成し遂げ名を後世に残す人も稀にいますが、それはかなりのレアケース。若い頃に何らかの大志を抱き夢を語っていたことを思うと、結果として「自分は何者にもなれなかったな」と感じている人も多いでしょう。それはすなわち自分は何のためにこの世に生を受けたのかという疑問にも通じるわけで、自分の人生そのものを否定するように考えてしまう人も中にはいるかも知れません。

 とは言え、それで本当に心底から絶望をするのか?と言われると、そういう人がそんなに多いとも思えません。そもそも60代になっていきなり合格発表のように人生の結果を伝えられるわけではなく、20代、30代、40代と年齢を重ねるほどに薄々自分自身でわかってきたことですから、ほとんどの人はどこかのタイミングで自分の中で折り合いをつけ消化しているだろうと思うのです。

 さらに言えば全ての人がそんなビッグな人生を目指してきたわけでもないでしょう。僕自身どちらかと言うと未来の夢を考えるよりも、毎日をいかに楽しくストレスなく過ごすかを考えて生きてきたタイプなので、そもそも「何者か」になろうと思ったことがありません。自分にとって心地よくてちょっと面白そうな方向を考えて道を選択し続けてきた結果が今なのですから、その結果について特に文句を言う筋合いでもないかなと思っています。

 とは言え、「何者にもなれなかった」と思っている人を否定しているわけでもありません。そこは人それぞれで感じ方も捉え方も随分違うんじゃないかというだけのことです。それに「何者か」にはなれなかったものの、大過なく生きてこられたからこその感想ですから、小さな幸せをコツコツ積み重ねてこられたことを周囲に感謝して、これからも健康第一で自分に見合った人生を過ごしていけたらなと思っています。



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