幹事クリタのコーカイ日誌2022

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4月19日 ● 「偉い人」好き。

 世の中には「偉い人」が好きな人がいます。反対に「偉い人」がとにかく嫌いな人もいます。これは裏表の関係というか、「偉い」ことに対して敏感なので、どちらかの態度になってしまうのではないかと思っています。そういう人たちを見ていると、僕はそもそも「偉い人」にあまり興味がないらしいということがわかってきました。

 高校大学時代の友人のAくんはとても性格が優しくて真面目な良いやつでした。よく一緒につるんでいましたが、僕が金欠の時は文句も言わずにいつもランチを奢ってくれて、それなのに当時の僕は「金持ってる奴が払えば良い」くらいの態度でそれほど感謝していませんでしたが、今となっては本当に申し訳なかったと反省しています。

 僕はそんなAくんの優しさと誠実さが好きでしたが、学生時代にどうも気に食わなかったのが彼の「偉い人」好きな部分でした。社会的に地位のある人とか、お金持ちとかに妙に詳しくて、親戚や知り合いにそういう人がいると一生懸命にその人のことを語ってきます。僕からしたら知らない偉い人なんて興味がないし、なんなら悪いことしてるから偉くなったんじゃないか、くらいな色眼鏡で話を聞いていたくらいです。

 今から思えば、学生とは言えこれから社会に出ていくことを考え始めた時期で、そんな年頃に社会的に成功を収めている人に対してロールモデルとして興味を持つのはある意味自然なことだったのかもと思います。むしろその話を関係ないじゃん、「けっ」と思っていた自分がまだガキだったのかも知れませんが、権威とか権力に本能的に反感を抱くというのもまた若者の性という気もします。まあ僕の場合は反感というほどの嫌悪感もなく、本当に単に興味がなかっただけですが。

 あれから約40年。周りを見ればAくんのような「偉い人」好きが相変わらずたくさんいます。社長とか政治家とか官僚とかセレブとか金持ちとかは一種のブランド品みたいなものですから、グッチやエルメスと同じような感覚で周りにいると嬉しい楽しいというだけのことなのかも知れませんが、お近づきになっておくと都合の良いことがあるんじゃないかという下心が透けて見えてきそうな気がして気恥ずかしいと感じてしまいます。

 僕はやっぱり「偉い人」よりもAくんのような偉くならなくても誠実で優しい人が良いですけどね。Aくんは真面目過ぎたので、少しひねくれているくらいのユーモアがあると最高でしたが、それを差し引いても良いやつでした。もう随分と長いこと会っていないので、今度会ったら学生時代の借りを返すべく何か奢らせてもらいます。



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