幹事クリタのコーカイ日誌2022

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4月5日 ● ドラマ史上に残る深津の名演。

 今日の「カムカムエヴリバディ」でついにアニー(森山良子)が安子(上白石萌音)であることが明かされました。ネット上でも盛り上がっていた「アニーは安子なのか」論争に決着がついたわけですが、それとともにこのシーンでの約5分間の深津絵里の演技が素晴らしく、これは朝ドラの、いや日本のドラマ史上に残る名演ではないかと感動しました。アニー安子問題の決着も霞むくらいの演技でした。

 アニーがラジオで突然日本語になって自らの過去を告白しはじめる場面。最初はラジオに向かってふと顔を向けるるい(深津絵里)。そこから映画を稔と見た話、大阪時代の話、るいの顔に傷をつけてしまった話、そしてるいを置いて家を出た話と続いていく間、画面はずっと深津のアップ。最初は普通の何気ない表情から徐々に顔に赤みが差し、首を震わせ目が赤くなって、ラジオからアニーが「るい」と呼び掛けると瞳が潤み、何か言いたそうに口を動かし、そして頬を涙が伝う。

 この間ずっと深津のセリフはありません。顔の表情だけの無言の演技です。深津絵里の役者としての凄みを感じさせるような名場面でした。そしてこのあとその場に居合わせた錠一郎(オダギリジョー)、ひなた(川栄李奈)、桃太郎(青木柚)、トミー(早乙女太一)が一丸となって、アニーとるいを会わせるために動き出すのですが、この周りの俳優陣の演技もまた的確というか、深津を立てつつきちんとドラマを動かしていて素晴らしかったと思います。

 残り3回。安子とるいが感動の再会を果たして100年の家族の物語は大団円を迎えることになるのでしょうが、上白石萌音の再登場はどういう形であるのでしょうか。渡米後の安子の様子を描くのか、このドラマに多い登場人物の子孫役か。できたら安子が渡米して「アニー」となって、そして日本に戻ってくるまでの物語を見たいものだと思いました。普通の朝ドラなら安子の一生を描くわけですから、渡米後の話が主体になるはずです。それなのに残された家族の話を描いた今作は朝ドラ史上に残るエポックメイキングな名作となって最終回を迎えようとしています。



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