幹事クリタのコーカイ日誌2021

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2月22日 ● 「ミステリと言う勿れ」に恋愛は要らない。

 フジテレビの月9ドラマと言えばかつては恋愛ドラマの王城でした。「ロングバケーション」「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」「やまとなでしこ」など大ヒットしたラブストーリーが目白押しです。しかし2000年代に入って恋愛ドラマも飽きられたのか低迷が続き、ヒットするのは「HERO」や「ガリレオ」、「コード・ブルー」などの職業ものやミステリー。さらにそれすらも徐々に数字が取れなくなり、近年では「脱ラブストーリー」を掲げて改革に取り組み「コンフィデンスマンJP」のようなスマッシュヒットも生んでいます。

 今クールで評判が良い「ミステリと言う勿れ」も、恋愛ドラマではなくミステリーです。とやかくうるさい原作ファンはともかくとして、原作を読んでいない視聴者には面白いのではないかと思いますし、視聴率もずっと2桁をキープしています。ただどうも見ていると恋愛要素を入れたいのかなという不穏な空気がそこはかとなく漂っていて心配になります。ここのところ刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)が主人公の久能整(菅田将暉)に淡い恋心を抱いている描写を入れてきているからです。

 しかし原作ではもちろんそんな描写はなく、そもそも風呂光はそこまで重要なキャラクターでもありません。もちろんドラマでは風呂光の成長を描くという原作にはないサブストーリーを取り入れること自体は悪くないと思いますが、だからと言って無理やりそこに恋愛要素を加えるのは完全に蛇足です。本来のミステリードラマとしての純度を損なうだけですし、伊藤沙莉の無駄遣いというか、それなら別の役者をキャスティングした方が良かったのではないかと思います。

 制作側は「ガリレオ」の福山雅治と柴咲コウのような関係をイメージしているのかも知れませんが、もうそういう時代ではないということに気づいて「脱ラブストーリー」路線にしたのではなかったのでしょうか。余計な「色気」を出さずに原作の雰囲気を壊さないようになるべく忠実に再現した方が良いです。変な設定を加えてしまうと第2シリーズをやる時に原作と乖離して困るだけだと思います。



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