幹事クリタのコーカイ日誌2021

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2月14日 ● FIREというムーブメント。

 定年退職して再雇用契約で今までよりずっと安い賃金で働いていると、どうしても資産運用のことを考えるようになります。昔から株や投信に手は出していますが、現役バリバリの時代は興味本位でちょっとした小遣い稼ぎくらいのつもりでしたが、この先、収入が大して増える見込みがないとなると、もう少し真剣に考えるようにならざるを得ません。ネットでいろいろ調べてみると「FIRE」というワードがやたらと飛び交っていることに気づきます。

 「FIRE」が漠然と早期リタイヤのことだとは知っていましたが、単にビジネスで成功して超お金持ちになって後はリッチに遊んで暮らすぜ、みたいなことではなく、節約を意識して頑張って貯蓄をしてそれを運用して質素でも良いから労働に縛られずに自由に生きるライフスタイルを早めに実現しようというムーブメントであることがわかりました。ちなみに「FIRE」は「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字です。

 家や車などの大型の支出をせず、豪華な外食や海外旅行にも行かず、コツコツと節約して貯蓄をしたら、それを堅実に年利4%くらいの利回りで運用して、残り人生の年数を計算して必要額に達したらリタイヤして、でもリタイヤ後も投資は続けるし、ちょっと足りない分はパートタイムなどで働いて補って、というのがFIREです。「アメリカンドリーム」というよりはむしろ「ミニマリスト」的な感覚の方が近いのではないかと思います。

 我々のようなバブル期を経験してきている世代には「うーん?」というところもあります。労働に縛られずに自由に生きる代わりに、金銭にはずっと縛られているような気もします。そんなケチケチ生活で楽しいの?と思う年配層は多いことでしょう。ただZ世代、ミレニアム世代には、これまでの行き過ぎた消費生活への疑問があるのだと思います。消費をことさらに煽るような社会、企業に踊らされて、そのために貴重な時間を労働に費やす毎日が無駄だと感じるのでしょう。それについては実は僕も若い頃から感じていたので同感できる部分も多々あります。それに景気の良いアメリカと違って日本は給料が上がらず貧乏ですから、余計に過剰な支出はしたくてもできないという日本ならではの事情も加わるようです。

 僕はFIRE的なライフスタイルをしたかったわけではないのですが、安い賃金で働かざるを得なくなって、どうしたらこの先を楽に楽しく生きられるかを考えた結果、FIREの手法が随分と参考になるなとわかりました。この年になってまだ高収入を求めてストレスに晒されながらガッツリと働くよりも、無駄な支出を減らして今ある資金を手堅く運用しながら緩く生きる方が、残り人生が楽しそうです。幸いFIREするために必要な資金を貯蓄する段階は終わっているので、後は退職金を世界一周旅行だとかリフォームだとかに無駄に遣わず、手堅く資産運用をしていこうと思います。



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