幹事クリタのコーカイ日誌2021

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2月12日 ● 藤井「永世八冠」への道。

 北京冬季五輪も小林陵侑の銀メダルやロコソラーレ藤沢五月のスーパーショットなど話題はいろいろあるのですが、やはり藤井聡太の史上最年少の五冠達成が凄すぎます。渡辺明三冠と藤井四冠による頂上決戦だった今回の王将戦でしたが、それをストレートの4連勝でタイトル奪取するとは、いくらなんでも強すぎるという気がします。渡辺はもう藤井にカモにされていると言っても良いくらいの分の悪さで気の毒になるくらいです。

 過去の五冠達成者は大山康晴、中原誠、羽生善治の3人のみ。いずれも永世称号を5つ以上持つ一時代を築いた偉大な棋士ばかりで、八大タイトルの通算獲得数もダントツのトップ3(羽生99、大山80、中原64)です。そしてそれに続く4位が渡辺明の29なのですから、その現役最強棋士に10代でストレート勝ちできる藤井の強さはまさに現実離れしていて、フィクションの中の登場人物のようです。

 こうなってくると期待は史上初の「八冠」達成です。全てのタイトルを独占した大山の時代は5つ、羽生の時代も7つしかなかったので、八冠に挑めるのは藤井のみ。そして現状では藤井の八冠を防げそうな棋士が見当たりません。一局のみの勝負で藤井が負けることは今後もたまにあるでしょうが、タイトル戦の五番勝負、七番勝負となると現状では誰と当たっても藤井が有利です。順調にいけばいよいよ順位戦もA級に上がるのは確実でしょうし、意外にすんなりと近いうちに八冠を達成してしまうかもと思わせるほどの強さが藤井にはあります。

 むしろ藤井に期待するのは、羽生の持つ通算99期のタイトル数更新と、羽生の「永世七冠」を超える「永世八冠」への挑戦です。藤井が順調に成長を続ければどちらも可能性はあります。そしてその羽生は29年在籍したA級から降格することが先日決まりました。藤井と羽生が上りと下りのエスカレーターで交錯するような展開です。羽生がこのまま終わってしまうのはあまりにも寂しいので何とかA級復帰を目指してほしいですが、AIでの研究が進むこの時代にベテランが勝つのは本当に厳しいと思います。

 藤井を倒せる棋士が登場するとしたら、ずっと年下の次の世代からなのでしょう。大山と中原、中原と羽生はそれぞれふたまわりくらいの年齢差がありました。羽生と藤井は30歳以上の年の差があります。そうした歴史を振り返ると、藤井の時代を終わらせるような棋士が登場するには後20年は待たなければならないかも知れません。20年あれば藤井が八冠のうち常に5つのタイトルを獲得していれば100を超えます。羽生の記録を超えるためには十分な時間だと思います。



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