幹事クリタのコーカイ日誌2021

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2月11日 ● 怒りの表現で金メダル。

 スノーボード男子ハーフパイプ決勝で平野歩夢が見事に逆転で優勝を飾りました。その展開がまるで少年マンガのようだとネットでも話題になっていましたが、見ていて本当にこういう劇的な展開があるんだと、改めてフィクションを超えるような現実に驚きました。

 この大会は引退するレジェンドのショーン・ホワイトの最後の大会です。そんな特別なオリンピックで平野は93.25の高得点で予選を1位通過し優勝候補の筆頭として決勝に臨みました。決勝1回目は五輪史上初となる「トリプルコーク1440」を成功させましたが着地に失敗して33.75。しかし2回目は再びトリプルコーク1440を成功させるなど難度の高いトリックを全てノーミスでこなして、これは勝ったと思わせました。ところが得点は91.75で2位。この採点には会場でもブーイングが飛んだそうですが、テレビで見ていても「そりゃないだろう」と思いました。

 しかし平野はその採点を逆にエネルギーに変えました。3回目、三たびトリプルコーク1440を成功させた上に、史上最高難易度というすべてのトリックの完成度を高め、今度こそ文句なしのパーフェクトなランで96.00を叩き出し大逆転で優勝を果たしました。金メダルを決めた後には年の離れたライバルでもあるショーン・ホワイトと抱擁。もうどこまでも少年ジャンプ的な展開です。

 「2本目の点数は納得いってなかったんですけど、そういう怒りが自分の気持ちの中で表現できた」とコメントし、まさにアスリートとしても、またマンガのヒーローとしても正しいやり方で大会を締めくくりました。14歳から世界に名を知られ、15歳でショーンに次いで銀メダルを獲得し、19歳でショーンと激闘してまたも銀メダル。その後スケートボードでも東京五輪に出場し、わずか半年後の今回ついに「怒りの」金メダル。どこまでもマンガです。いつか本当にマンガ化、そして映画化されるのかも知れません。



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