幹事クリタのコーカイ日誌2021

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1月30日 ● センバツの選抜問題。

 センバツ高校野球大会の出場校が発表されましたが、その選考で論議が起きています。東海地区の出場枠は2校、通常なら秋の東海大会で決勝を戦った優勝&準優勝校が選ばれるのですが、なんと準優勝の静岡・聖隷クリストファーが落選し、ベスト4だった岐阜・大垣日大が選ばれたのです。なぜこんなことになったのか選考委員は「個人の力量で(大垣日大が)勝っていた」と発言したことで、さらに「そりゃおかしいだろ」という話になっています。

 そもそも秋季大会の結果を元に選んでいるのですから、上位2校が選ばれないと何のために戦っているのかわかりません。3校枠で上位2校に加えて準決勝で敗れた2校からどちらかを選ぶというのなら、いろいろ議論を重ねてより強いと思われる方を選ぶのは当然ですが、前提である結果を敢えて覆すというのならば、相当に納得性の高い理由を示さない限りは問題になるに決まっています。

 しかも理由が「個人の力量」という団体競技である野球の存在意義自体を引っくり返すような話では納得できるはずもありません。個々の力量が劣っていても、チームとして勝てるように工夫して戦うのが団体競技の目的であり醍醐味であり面白さです。江川や松坂クラスの超高校級のエースがいて、その選手が死球を受けて途中退場したために逆転負けを喫した、というくらいの理由なら「個人の力量」を理由に結果を引っくり返すのも理解できなくはありませんが、それとて結局は「競技のうち」です。

 もしそういう事情があってどうしても負けた学校を選びたいなら、上位2校を選んだ上で特別枠として追加で選ぶべきでしょう。でなければ落選した学校の生徒が可哀想ですし、何よりそんな曖昧で恣意的な選考をしている委員会を今後は信頼できなくなります。無理筋の横車を押すような裏で怪しい動きがあるのではと勘繰られても仕方ありません。また選ばれた学校の選手も素直に喜べなくなってしまいます。

 高校野球も高野連もすっかり時代に取り残された昭和の遺物的な存在になっていて問題を多く抱えていますが、今回もまたそうした問題点の一部を露呈した感があります。高校生の部活動に過ぎない高校野球をビジネスコンテンツとして長年にわたり食い物にしてきた朝日と毎日の両新聞社も含めて、いい加減高校野球のあり方はアップデートした方が良いんじゃないかと思います。



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