幹事クリタのコーカイ日誌2021

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1月25日 ● 原作ファンには物足りないミステリ。

 予想していたことではありますが、月9の「ミステリと言う勿れ」は原作ファンとしては物足りない展開になりつつあります。初回こそ放送時間がたっぷりあったので、ほぼほぼ原作通りの展開でストーリーが進みましたが、2回目と3回目のバスジャック事件はかなり途中が省略されていて、原作を読んでいるとまるでドラマはダイジェスト版のように感じてしまいます。

 こういう作品で難しいのは、原作のストーリーに忠実なほど細かい差異が気になるし、ドラマのオリジナル性を強く打ち出してしまうと原作ファンにそっぽを向かれてしまうことで、特にマンガが原作の場合はキャラクターのルックスにも目が向きますから余計に「これじゃない」感が強くなってしまいます。3回目の後半で描かれた漂流郵便局については現地ロケまでして再現性が高いのですが、そこにこだわるならもっとこだわって欲しいところがいくらでもあります。

 例えば次回で主人公の久能整は見損なった印象派展に行きますが、原作では広島なのにドラマでは大阪になっています。しかし広島だからこそ次のエピソードも意味があるはずなのに、舞台が大阪では話が違ってきます。なぜそこを変えてしまうのか、4回目を見てみないと何とも言えませんが、厳島神社でロケができなかったから代わりに通天閣に行くとかならガッカリです。

 そしてやはり最初からの疑問ですが、なぜ永山瑛太が犬堂我路なのか、というところが個人的には一番残念ポイントです。別に瑛太の演技が悪いわけではありません。似ている似ていない以前にアラフォー中年男が犬堂我路を演じても違和感しかないということです。整と同世代には見えないし、愛珠の弟の設定が兄に変わっているのも瑛太が演じているからでしょう。初回の感想で書いたように中川大志あたりを起用しておけば白石麻衣と姉弟で問題なかったはずです。

 もちろんいくら大ヒットマンガが原作だとは言え、原作ファンだけを相手にドラマを作っているわけではないことは理解していますし、原作を読んでいない人が見て面白ければ問題ないとテレビ局が思っているのもわかります。ただ放送時間の問題でエピソードが収まりきらないからカットしたとか、映像で表現するのが難しいシーンだから変えたとか、もしくは話が複雑過ぎると視聴者がついていけないから簡略化したというのならともかく、キャスティングは何とでもなったでしょう。ちなみに久能整はルックスは圧倒的に渡部豪太がそっくりなのですが、そこは人気や年齢や考えて菅田将暉でも良いかなと思っています。

 一家で原作を読んでいる我が家では娘は「原作の方が面白いからもう見ない」宣言をしました。そこまで原作原理主義ではない僕と妻はまだ見続けるつもりですが、きっとブツブツと文句を言いながら見ることになりそうです。なんだかんだ言っても原作のあの世界が実写映像化されているのを見るのは楽しいですし。



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