幹事クリタのコーカイ日誌2021

[ 前日翌日最新今月 ]

1月5日 ● レコードを買うドキドキ感。

 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で深津絵里演じるヒロインるいがオダギリジョー演じるジョー(ややこしい)に連れられてレコード店に入るシーンが今日ありました。ジョーはトランペット奏者でジャズ好き。レコード店にルイ・アームストロングの新譜を買いに来ていました。るいのことを「サッチモちゃん」と勝手に渾名するくらいですから、彼女もサッチモの新譜を買いに来たのだと勘違いしたというシーンです。

 レコード店にはジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズの新譜の案内も貼り紙してあって、1962年という「ビートルズがまだなかった」時代を感じます。僕はまだ当時1歳ですから当然実体験はしていませんが、レコード店の空気感は懐かしさを感じます。それから11年後に初めて自分でレコードを買いました。小坂明子の「あなた」です。続けてカーペンターズとビートルズも買いました。中学生になってからとにかくレコードを買いたくて、小遣いやお年玉をコツコツと貯めてはレコード店に通っていました。

 あの頃の中高生はレコードを買うのが一番の趣味という人が多かったと思います。シングル500円、アルバム2500円くらいが相場でしたが、小遣いは中学生なら月1000〜2000円、高校生で3000円〜5000円くらいのものです。その予算でどのレコードを買うか、まさに真剣勝負でした。山口百恵も井上陽水もサイモン&ガーファンクルも魅力的で、誰のどのレコードを買うか本当に悩んだものです。自転車で10分くらいの街中まで出かけて、レコード店と書店をはしごするのが中学高校時代の日曜日のルーティンでした。

 今と違って簡単に好きな音楽が聴ける環境はありませんでした。テレビの音楽番組に出演しないアーティストはラジオでエアチェックするか、レコードを買うしか手段がなかった時代です。友人とレコードを貸し借りするのも日常的にあって、それをきっかけにして好きな女子と親しくなるという手口もまた頻繁に行われていました。あの頃のレコードの価値は今の仮想通貨のようなものだったのかも知れません。

 音楽がどんどん身近になって手軽に聴きたい曲がすぐに聴ける今の時代は本当に恵まれていますが、あの頃の音楽が高嶺の花だった時代もジジイにとっては懐かしく思い出されます。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」