幹事クリタのコーカイ日誌2021

[ 前日翌日最新今月 ]

12月17日 ● 映画「濡れて打つ」。

 金子修介と言えば『1999年の夏休み』『就職戦線異状なし』『毎日が夏休み』『平成ガメラ3部作』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』『デスノート2部作』 などで知られる映画監督です。またアイドルや特撮、アニメなどが好きなオタク気質の監督で、新しい世代の映画の作り手というイメージで1980年代後半からの映画シーンに登場してきました。

 金子は日活ロマンポルノの出身で、当時は多くの監督や脚本家がロマンポルノを足掛かりにして出てきました。僕も好きな監督が多く崔洋一、周防正行、相米慎二、滝田洋二郎、中原俊、根岸吉太郎、村川透、森田芳光などがロマンポルノ出身です。とは言え、当時はなかなかロマンポルノを見る機会もなく、金子も含めてこれらの監督のデビュー作を見たことはありませんでした。

 ところが先日wowowで金子のデビュー作である『宇能鴻一郎の濡れて打つ』を放送したので録画して見てみました。1984年2月の作品です。ライトな学園コメディで、なおかつ高校の女子テニス部を舞台にした『エースを狙え!』のパロディでした。ロマンポルノとしては異色作だと思います。いわば『翔んで埼玉』にエロをぶちこんでかきまぜたような作品です。マンガのファンとしては、なかなかくだらなくて面白い作品でした。

 テニスファンとしてはそれ以上に1980年代前半のテニスシーンやグッズがふんだんに登場して興味深いというか、「あったあった」「懐かしい」と思わず独り言を呟いてしまいました。主人公「ひろみ」のラケットは今はなきヤマハのファイバーグラスの赤いYFG30で、「お蝶」は形状からして恐らくヨネックスのR-7あたり、一般部員はフタバヤのウッドラケットでしたから僕も持っていたウィニングショットかも知れません。ウエアもみんなは揃いのフレッドペリーで「お蝶」だけフィラ。「ひろみ」の部屋にはナブラチロワのポスターが貼ってあります。「ひろみ」が「お蝶」の誕生日プレゼントとして買っていたウィルソンのラケットは当時高校生の小遣いではとても買えないほど高価でした。

 わずか55分の映画ですが、今となっては見るべき情報量が多すぎて本来のエロなシーンが邪魔なくらいに感じました。ちなみに主演の山本奈津子は可愛かったです。いかにも80年代アイドルという雰囲気で、当時だったらかなり夢中になって見ていたと思います。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」