幹事クリタのコーカイ日誌2021

[ 前日翌日最新今月 ]

12月3日 ● 3倍速ドラマ「カムカムエヴリバディ」。

 僕は基本的に不幸なドラマが好きではありません。フィクションの世界くらいは幸せな気分で見ていたいので、ハラハラドキドキは良いのですが次々と主人公が不幸に襲われるような主人公いじめドラマは見ていて憂鬱になってしまいます。「おしん」に代表されるような意地悪な人が多く出てくる朝ドラは嫌いで、「あまちゃん」のような明るく強いキャラクターが多い朝ドラは好きです。

 いまの「カムカムエヴリバディ」は当初は「あまちゃん」系のハッピードラマかと思いきや、戦争に突入したあたりから一気に内容が暗くなっていきました。戦争が終われば明るくなるかと思いきや、ヒロインの家族はみんな亡くなってしまい、今週はますますヒロインが不幸に襲われる展開でした。怒涛のような不幸の連打です。

 ただそれでも耐えて見ていられるのは展開がやたらと早くてひとつの不幸をいつまでもやっていないことです。「不幸の予兆」「不幸が起きる」「ヒロインの立ち直り」「また不幸の予兆」というサイクルが短くて15分でひとつの不幸が起きて解決して次の不幸の予兆が訪れます。今週は岡山を飛び出して大阪でシングルマザーとして奮闘して交通事故に遭って仕方なく岡山に戻るまでの数年間を一週間で片付けてしまいました。

 通常の朝ドラなら1ヵ月くらいかけるような内容を一週間で終わらせるのは、今作が100年間で3人のヒロインをリレーで繋ぐからです。1人のヒロインにかけられるのは3分の1の話数しかありません。必然的に3倍速で話が進んでいきます。そのお陰でヒロインが不幸になってもすぐに立ち直ってしまうのであまり引きずらなくても良いのが助かります。

 もちろん従来の朝ドラファンがどう感じているかはわかりません。展開が早すぎてついていけないという年配者もいるでしょうし、もう少しじっくりと重厚に描いてほしいという要望もありそうです。登場人物も次々と変わっていきますから、まるでダイジェストを見ているような気分になるのは確かです。

 一説によると売れっ子の俳優陣を長期間拘束するのは難しいから、出番の回転を速くして拘束期間を短縮しているという理由もあるようです。俳優は出演しやすくなりますが、スタッフとしては時代考証とかセットや衣装、小道具なども時代がどんどん進むのでそれに合わせていくのが大変だろうと思います。今回の重要な小道具であるラジオだって100年間の時間の流れに添って次々と新しくなっていきます。そんなところも注目しながら見ているので、意外に不幸の連打でもショックが和らいでいるのかも知れません。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」