幹事クリタのコーカイ日誌2021

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10月15日 ● ドラマ「日本沈没-希望のひと-」第1回。

 小松左京の「日本沈没」と言えば昭和の大ベストセラーであり、日本SF界の記念碑的作品です。日本にSF小説を広めた三大偉人である星新一、筒井康隆と並び称される小松ですが、文学周辺に興味がない人でも小松左京の名前は当時から幅広く知られていました。僕も高校生の頃にこの「日本沈没」から小松の作品を読み始めましたが、同世代に人気があった星新一とは全く違う作風の小松に驚き魅了されたものです。

 その後、幾度か映画やドラマで実写化されてきましたが、あまりにもストーリーが壮大過ぎるためか、どれも原作を超えたとは思えませんでした。今回のドラマ化は果たしてどうなのかと思って初回を見てみましたが、一見しただけで小説を原案としただけのドラマオリジナル作品という印象です。田所博士だけが健在でしたが、後は「官僚たちの夏」みたいな感じだなと思って見ていたら、本当にドラマ「官僚たちの夏」の脚本の橋本裕志が手掛けていました。もちろん演出は「半沢直樹」の福澤克雄です。

 クラシック作品ですから、基本的なストーリーはすでに皆さんご存知の通りという建前で進んでいきます。日本列島に大地震や津波が襲いかかり、最終的には沈没するので日本人の大脱出作戦が展開されます。初回の最後に次回予告ではなく「今後の展開」としてかなり先の話まで紹介されていました。源平合戦や関ケ原、幕末維新などを描く歴史ドラマと同じで、ご存知の結末までを今回はどう描くかが見せ所ということです。

 2023年を舞台にしていますから、原作当時よりかなり地球環境問題について深刻になっていますし、登場人物たちも女性が表舞台に多く登場しています。とは言え、相変わらず政治の世界では女性の影がまだ薄くジェンダーギャップ解消までには至っていないことは変わりません。あとこの2023年の日本では誰もマスクをしていないところを見ると、「ゼロコロナ」が実現しているのか、もしくはそもそも新型コロナウィルスがないパラレルワールドなのでしょう。

 主演級の俳優がぞろぞろと出てくるのは大河ドラマ並みで豪華ですし、またやたらとお笑い芸人を起用しているのも目立ちました。ただお笑い芸人ではないですが、ウエンツ瑛士はさすがにエリート官僚には見えないのでミスキャストだと思います。恋愛要素はほぼ無さそうなのは個人的には好感が持てます。2回目以降も見てみようと思える初回でした。



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