例年より早いこの時期にドラフト会議が行われました。今年は話題になるような大物や人気選手がいない地味な年でしたが、その分だけ各球団ともじっくりと自分のチームに必要な補強をできたのではないかと思います。少なくとも12球団で一番の投手力と最低の打力を誇る中日は、どうしても欲しい「即戦力」「長打力」「外野手」を獲得するという目標通りのドラフトが完遂できて良かったです。

　１位指名は大学ナンバー１と言われている上武大のブライト健太。長打力もあり足も速い外野手は、もっとも中日に必要なピースです。中日の野手陣でレギュラーが確定なのはファーストとセンターだけ。特に外野は大島以外は全然固定できませんし、大島も年齢を考えれば先はそれほど長くありません。ブライトは未完成ながら将来を見込んで即レギュラー候補です。

　さらに２位で駒大の鵜飼を指名しました。こちらも長打力のある外野手です。鵜飼は中京大中京出身ですから地元枠でもあります。中日のドラフトは地元選手を優先するところが地元のファンにとっては嬉しいところですが、それが足を引っ張っている部分も否めません。なにせ「なぜイチローを指名しなかった」と長年にわたり散々言われてきているので、地元出身で可能性のある選手はなるべく指名しておきたい気持ちはわかります。

　３位指名は今年のドラフトで唯一の投手である石森。社会人の左腕で三振の取れる即戦力のセットアッパー候補です。石川県出身なのでこちらも準地元です。左腕は何人いても困らないので、ここまでの上位指名はほぼ狙い通りだったのではないでしょうか。４位に花咲徳栄の捕手の味谷、５位に地元豊橋中央のショート星野と高校生を２人、そして６位はまたも大学生外野手の福元。右の大学生外野手が６人中３人という指名からも、いかに外野を守れる右の強打者が欲しいかわかろうというものです。

　根尾、石川と大物の高校生野手を近年指名してきましたが、ここで即戦力中心のドラフトに切り替えてきたのは、今年のチーム成績からしても仕方ないところです。あとはトレードや外国人などで主軸を打てる強打者を複数獲得してきて、投手陣を何とか勝たせてやりたいです。柳が今季最多勝を取れなかったら明らかに貧打の打線のせいですから。