幹事クリタのコーカイ日誌2021

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9月14日 ● 河野石破小泉連合。

 自民党総裁選がようやく面白くなってきました。河野が「女系天皇容認」「脱原発」を封印し、「モリカケ桜」の再調査を必要なしと言い出した時にはガッカリしたものです。それでは岸田や高市となんにも変わりありません。河野が出る意味がありません。これまでの権力者である安倍麻生におもねって政権を「いただきにいく」つもりなのかと思いました。自らの政治信条を曲げるような政治家は信用できないので、国民人気も落ちるでしょう。だったら腰抜けであっても穏健で手堅そうな岸田の方が数倍マシです。

 ところがそういう批判が耳に届いたのか、改めて河野がファイティングポーズを構えなおしました。なんと安倍麻生の大嫌いな石破に協力を求めたのです。これで石破は総裁選出馬を断念し、河野との連合を組むことになりました。さらに同じ神奈川選出の小泉が動いて河野をバックアップしています。その後ろには菅もいます。また二階もこうなってくると河野に乗るかも知れません。また細田派の若手の福田達夫が音頭を取って派閥を越えて若手がまとまって河野支持を打ち出しているそうです。河野はこれだけ後ろ盾が整えば、麻生派を飛び出して安倍麻生との全面対決となるやも知れません。

 当然、安倍麻生は岸田と高市を推してきます。恐らく高市が負けて河野と岸田の決戦投票になるので、高市支持派も岸田に合流します。ここまでは安倍の目論見通りです。麻生は自らの派内から河野が飛び出すことは覚悟の上だったかも知れません。心情的にどう思っているかはわかりませんが、なにせ麻生もまだまだ後進に道を譲る気などなさそうですから、河野は潰すしかありません。ただ河野が勝つ可能性も高いので後見人的立場も維持したいところです。細田派も安倍系と福田系が分裂していくかも知れません。そもそも細田派(清和会)を作ったのは福田赳夫ですから、その孫の達夫が安倍に乗っ取られたことを快く思ってはいなかったのでしょう。

 あれこれ自民党の中がごちゃごちゃになっていますが、長年続いた安倍麻生の自民党支配からようやく政争を繰り返す昔の自民党らしい活力が戻ってきそうに感じます。本来なら野党がしっかりしていれば自民党がダメな時には野党に期待をするのですが、立憲民主党はかつての社会党のように「野党第一党」の座に胡坐をかいているようにしか思えません。だとしたら停滞している政治を動かすエネルギーは自民党内での政争に期待するしかありません。

 急進改革派で人気者オールスター体制の河野が勝てば総選挙は自民党の大勝になる可能性が高いです。野党はなすすべがないでしょう。河野総理、石破幹事長、小泉官房長官という噂がすでに立っています。正直そんな人気「だけ」の人たちでちゃんとやっていけるのかとても心もとないです。すぐに空中分解しそうです。恐らく河野が勝った時点で株価は急落するのではないかと思います。安倍麻生の傀儡である岸田が勝てば自民党は変わらなかったということで総選挙は苦しくなります。反乱軍の若手はバタバタと落選します。ただこれまでの政治路線が維持されるので株価は高いままでしょう。

 河野石破は薩長連合で岸田は幕藩体制という見立てもできます。総裁選は戊辰戦争です。ただし明治維新は良いことばかりではなく大きな痛みを伴いました。今回も変革が起これば混乱は避けられそうにありません。日本の経済や外交が破綻するかも知れません。期待もあり不安もありです。



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