幹事クリタのコーカイ日誌2021

[ 前日翌日最新今月 ]

9月13日 ● ジョコビッチも人の子。

 年間グランドスラムとグランドスラムシングルス優勝回数で単独トップという2つの大記録をかけたジョコビッチの全米決勝でしたが、メドベージェフにストレートで負けてしまいました。メドベージェフが強くなっていることはもちろんですが、やはりジョコビッチに相当なプレッシャーがかかっていたんだろうというのも感じました。

 年間グランドスラムは男子では1969年のロッド・レーバー以降、誰も成し遂げていません。半世紀以上にわたって多くの王者たちが挑んできましたが、あの全盛期フェデラーですら達成できませんでした。どれだけ勝ってもフェデラーとナダルに人気の面では大きな差をつけられているジョコビッチが、記録面でこの2人を超えることに拘るのは無理からぬことですし、その念願があと1勝で果たせるところまでたどり着きながらの敗戦はかなりショックだったろうと思います。

 グランドスラムの最多優勝回数はまたいくらでもチャレンジできます。恐らく体調万全なら次の全豪で早々に達成しそうです。ただ年間グランドスラムのチャンスは今後は年齢的に厳しくなる一方ですし、さらに言えば今年はオリンピックの金メダルを加えたゴールデンスラムのチャンスだっただけに、それをズべレフに阻まれたショックをどこか引きずっていたのかも知れません。

 そのズべレフには準決勝でフルセットの末に勝つことができました。ジョコビッチの中で大きな山を越えた達成感があったとしたら、それが決勝でのストレート負けを呼び込んでしまった可能性もあります。もしくは準決勝の激戦でさすがのジョコビッチも体力を削り取られてしまったのかも知れません。メドベージェフは今大会かなり楽に勝ち上がってきましたから、大きなハンデとなったような気もします。

 そう言えば女子シングルスもランキングが上のフェルナンデスはずっと激戦続きでしたが、優勝したラドゥカヌの方が楽なドローで楽な勝ち上がり方をしてきました。昔からそうですが、優勝を狙うような選手はいかに体力を決勝まで温存しながら勝ち上がるかが課題です。厳しいドローに重いプレッシャー。ジョコビッチも人の子だったということでしょう。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」