幹事クリタのコーカイ日誌2021

[ 前日翌日最新今月 ]

9月3日 ● 菅首相総裁選不出馬。

 菅首相が自民党総裁選に不出馬を表明しました。総理大臣を辞任するのと同義語ではありますが、辞任ではなく勇退という印象で終わりたかったのでしょう。もっとも「万策尽きた」という表現が本当は一番近いと思います。後ろ盾だった二階幹事長を交代させるという「岸田潰し」は、恩人を切るのかと批判され、総裁選の前に総選挙を断行しようとして「個利個略」と若手からも重鎮からも猛反発を買い、党人事や内閣改造を試みて誰もついてこないという体たらく。やることなすこと裏目に出てしまいました。

 最後は可愛がっている小泉進次郎に「玉砕するな」と説得されて渋々総理の座から降りることを了承したそうです。総裁選でみっともなく負けても、仮に勝って総選挙で大敗しても結果は似たようなもので、菅の今後の政治生命は尽きてしまいます。少しでも党内に影響力を残したいなら、もともと安倍暫定政権として発足したのですから、潔く後進に道を譲った方が自民党のためです。

 実際、菅不出馬で一気に総裁選がヒートアップしそうです。岸田、高市、下村の他に河野、野田も実質的な出馬表明をして、石破もチャンスを窺う情勢になってきました。こうなったらオールスター総裁選として、メディアを自民党総裁選一色にしてしまえば、総選挙で野党の影は薄くなりますから自民党は勝機を見出すことができます。誰が総裁選で勝とうが、陰鬱な菅よりは選挙の顔としてマシでしょう。

 とは言え、実際に「顔」の効果が高いのは何といっても石破か河野、次いで女性の野田か高市でしょう。問題は党を牛耳る安倍や麻生らが反主流派の石破はもちろん世代交代が鮮明になる河野も認めたくないことで、総裁選では党員票と議員票の分離がまた今回も予想されます。ただ選挙に弱い若手議員たちは選挙に勝てそうな石破か河野が望みでしょう。そのあたりがどう総裁選に影響を及ぼすか読めません。今回は派閥の縛りが緩くなりそうだということですから、党員票の行方次第で大きく情勢が変わる可能性もあります。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」