幹事クリタのコーカイ日誌2021

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7月23日 ● 開会式は国内向けショーだった。

 夜8時からなんと11時50分まで4時間近くかけて行われた開会式。コロナ禍の開会式らしい簡素で密を防ぐ新しいスタンダードがあるかと思って見ていましたが、残念ながらそういうコンセプトはあまり感じられませんでした。取って付けたようにエッセンシャルワーカーの人たちを随所に登場させていましたが、基本的なコンセプトは従来のオリンピックの開会式と同様であり、さらに言えば日本国内向けの底の浅いショーになっていました。

 オープニングアクトは木遣り唄から暗黒舞踏、さらにタップダンスと脈絡がなく、何をしたいのかもよくわからず退屈そのものでした。うちの娘は「つまらない」「こんなものを誰が喜んで見ているのか」と酷評していました。ところが雰囲気が一変したのは入場行進曲にドラクエのテーマが使われたところからです。ここから一気に「クール・ジャパン」仕様になりました。「あいうえお順」での入場、しかもプラカードはマンガの吹出しのデザインというのも斬新でした。

 1800台以上のドローンを使った立体オリンピックエンブレムからの地球もいかにも「かつての」ハイテク大国日本の表現という感じですし、「映画泥棒」のパクリのような寸劇や劇団ひとりと荒川静香の登場などはテレビ的なチープさと安易さそのもの。国家対抗の運動会であるオリンピックに「イマジン」を使う的外れ感、そして聖火ランナーになぜかオリンピックと無関係な長嶋、王、松井の巨人4番トリオの起用ときては、もうこの開会式は明らかに前回リオ五輪の「安倍マリオ」からの延長線上にある国内向けのショーであることは間違いありません。

 それが良いか悪いかは人それぞれの捉え方があることでしょう。あまりにも哲学がなく軽いとは思うものの、それが今の日本という国の有り様を正確に映し出しているとも考えられます。もっと言えば開会式なんて所詮そんなもので十分だというのも正直な気分です。オリンピックのメインはアスリートたちのパフォーマンスであってこんなショーではありません。ただあの聖火台は競技の邪魔だと思うのですが、明日からどこに持って行くのかは気になりました。



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