まだ先月くらいまでは「東京五輪は開催か中止か」で議論されていたと思いますが、最近はもう「有観客か無観客か」「観客制限は１万人か5000人か」という議論にすり替わってきています。7月23日の開会式まで残すところ約１ヵ月。今さら中止もできないということで、誰もがコロナ対策に不安を抱きつつも着々とオリンピック開催に向けて準備が進んでいます。まあきっとこういうことになるんだろうなぁとは思っていました。

　タイムリミットが過ぎたから中止という論調が消えたというだけではなく、国内のワクチン接種が進んできたことで少しずつ人々の気持ちに余裕ができてきたこともあるのでしょう。言い換えれば緩みとか隙がでてきたのですが、いずれにしても「もうやるしかないじゃん」という人の割合が増えてきているのは感じます。

　さらに言えば、緊急事態宣言が長引き過ぎたことで、みんな気持ちが折れたというか、もう我慢したくないという爆発寸前のマグマが溜まってしまったところもあります。冷静さを失って自棄になっている気もしますが、とにかく我慢我慢と「うっせぇわ！」です。酒も飲みたいし旅行にも行きたいしオリンピックも見たいんだ、という反動的な気分が横溢しています。

　こうなってくると意外とオリンピックが盛り上がりそうな気がしてきました。なにせここまで我慢して、犠牲を払い、さらにはこの先の感染拡大まで覚悟して手に入れたオリンピックです。これだけの対価を払っているのだから楽しまなきゃ損です。陸上も柔道も体操も卓球もバドミントンも野球も水泳もテニスもレスリングもサッカーもソフトボールも、どれもこれも楽しみです。そりゃ生で見たいし、せめてパブリックビューイングくらいして日本選手を応援して盛り上がりたいです。

　あとは野となれ山となれ、毒を食らわば皿まで。パラリンピックの頃には感染爆発してるかも知れませんが、それでも人々はパンだけではなくサーカスを求めているのでしょう。オリンピックとかスポーツに興味がない人にはご愁傷様としか言いようがありません。