幹事クリタのコーカイ日誌2021

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6月14日 ● ジョコビッチの異次元の強さ。

 ジョコビッチとチチパスの新旧対決はジョコビッチの逆転勝ちとなりました。チチパスが2セット連取した時には「これはもしかしたら?」という期待半分と、「いやいや出来すぎでしょ」という不安が半分でしたが、3セット目の序盤から明らかにジョコビッチのテニスが変わり、案の定そのままジョコビッチが3セット連取してしまいました。チチパスは最初から飛ばしていって、しかもかなり出来が良かったのですが、それは準決勝のズべレフ戦も同じでしたから、準決勝同様にフルセットにもつれこむ展開はある程度予想はできました。ただズべレフとジョコビッチではやはり格も経験も違ったということです。

 それにしてもジョコビッチのテニスのいやらしさとか巧さ、そして勝つことに関する能力の高さというものを改めて見せつけられた試合でした。チチパスが真っ向勝負で打ち合ってくるのに対して、ジョコビッチはループボールやスライスを適度に織り交ぜて敢えてチチパスのミスを誘うようなテニスを展開します。多分真っ向勝負をしても五分五分には戦えるのだと思いますが、そういうガチな力比べを避けて老獪なテニスをできるところがジョコビッチの凄さです。チチパスの戸惑い、焦り、苛立ちを感じ取って、さらに嫌がらせのような緩急をつけ、最後にはドロップショットを続けて足を止めてしまいました。チチパスは懸命に頑張っているのですが、どんどんできることを狭められてしまい、足掻くだけ足掻いて陥落したという感じです。

 これでジョコビッチは4大大会全てで2回以上優勝する「ダブルグランドスラム」を達成、19個目のタイトルを獲得して、フェデラー、ナダルにひとつ差まで迫ってきました。すでにフェデラーの持っていた世界ランキング1位在位週の記録を更新中なので、グランドスラムタイトル数でもトップの2人に追いつき追い抜いて「史上最強」を証明しようとしています。また全豪に続き全仏も制覇したことで、男子ではロッド・レーバー以来の年間グランドスラム、さらには男女を通じてグラフ以来のゴールデンスラムも視野に入ってきています。記録づくめの2021年になりそうな予感がします。

 すぐに始まるウィンブルドンでは復活を期すフェデラーが待っていますが、今のジョコビッチとフェデラーではどう見てもジョコビッチが有利。全仏でナダルを倒し、ウィンブルドンでフェデラーを倒して優勝したら、まさに真の最強王者です。恐らくウィンブルドンでは今回以上にアウェーになることでしょうが、今さらそれに屈するようなジョコビッチでもないでしょう。まさに「覇王」の貫禄です。



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