若い頃から頑張ることは大事だと聞かされてきました。まだそういう時代でした。「満足したらそこで終わり」「常に上を目指す志の高さ」みたいな説教を年配の人から言われるたびに正直ちょっとウンザリしていました。やりたいことや好きなことは言われなくても楽しいからどんどんやるし、面白くないことはやっぱりやる気になれません。自分のやりたいようにやるのが一番だと思っていたし、実際にそうしてきたので多分上司や先輩たちは呆れていたんだろうと思います。

　今は逆に若者に何かを言うような年齢になってしまいましたが、そういう余計なことは会社の後輩、テニスサークルの若者、なんなら自分の子どもたちにも言いませんし、言いたくはありません。むしろ「無理しない方がいい」「頑張らなくてもいい」「楽しいことをやっていればいい」と言ってしまいます。頑張りたい時に頑張ればそれで良いし、そうでもない時は適当にやって構いません。自分がそうしてきたのですから、人に言うことなんかできないし、そうやって生きてきたことに後悔もしていません。

　最近は年齢のせいで心身ともに頑張ることがどんどんしんどくなってきたので、余計に頑張らない生き方を考えています。特にテニスではついつい楽しくて頑張り過ぎてしまって後で後悔するので、いかに頑張らないようにブレーキをかけるかをテーマにしているくらいです。誰だって中年を過ぎれば体力気力とも衰えてきます。頑張りが効かなくなってきたと感じます。だったら若い頃から頑張らないで、どううまくやっていくかという技術を身につけておいた方が良いでしょう。単純に頑張る方が簡単です。頑張らない技術は生きていく上で結構大切です。

　頑張って頑張って挙句に体を壊したり精神を病んだりするよりは、頑張らないで楽に生きる方がずっとマシです。人生が短距離レースならまだしもマラソン以上の長距離レースなんですから上手にペース配分しないと。