幹事クリタのコーカイ日誌2021

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2月17日 ● これで勉強になる?マンガランキング。

 「東大王」は面白いクイズ番組ですが、あれは東大生だから面白いわけではなく、現役クイズ研究会のトップクラスの異能ぶりが面白いのだと思っています。東大以外の大学生だってあのレベルのクイズプレーヤーはいます。それなのに、今や何でもかんでも東大生を持ち出してバラエティ番組を作るテレビ局の企画の貧困さ。スタッフは自分たちでもバカらしいと思わないのでしょうか?多分思っているけれども企画が通りやすいから作っているんでしょう。

 そんなバカバカしい東大生番組のひとつが昨日放送された「林修の今でしょ!講座」の特別編「東大生が選んだ!コレは勉強になる!と思う漫画ベスト20」でした。すでにタイトルを聞いただけでマンガ好きとしては「絶対ベタなマンガが上位に並ぶ陳腐なランキングになるだろう」と思いましたが、こちらの想像を上回る酷さに呆れてしまいました。

 「勉強になる」と言うお題なのですから、「テルマエ・ロマエ」とか「ベルサイユのばら」「昭和天皇物語」といった歴史ものか、「あさきゆめみし」など古典文学をマンガ化したものが上位にきそうですし、ちょっと捻って「コウノドリ」「JIN-仁-」のような医療マンガや「カバチタレ!」「弁護士のくず」のような法律マンガあたりも医学部、法学部を目指していればありでしょう。あと最近の作品で勉強になるという意味で面白いのは「Dr.STONE」です。化学や物理学など理科全般に興味が湧くと思います。「ドラゴン桜」のような受験マンガは東大生なら敢えて外してほしいです。あれは勉強ではなく単なる受験テクニックですから。

 で、実際のランキングはなんと1位が「ドラえもん」、2位「ドラゴン桜」、3位「名探偵コナン」、4位「ワンピース」、5位「はたらく細胞」、6位「進撃の巨人」、7位「宇宙兄弟」、8位「あさきゆめみし」、9位「鬼滅の刃」、10位「スラムダンク」でした。トップ10がこれって、単に有名なマンガ(というかアニメ)を挙げただけではないかと思います。浅い、浅すぎます。辛うじて5位と7位、8位あたりは「勉強になる」というカテゴリーのマンガとしてありだと思いますから良いですが、後は子どもの頃に読んでいた、もしくはアニメで見ていた有名作品でしょう。

 これではマンガをあまり読んでいない東大生が答えたのがバレバレのランキングです。またテレ朝の番組だから「ドラえもん」が1位なのかと勘繰りたくもなります。こうしたランキングを作るならちゃんと「マンガが好きな」東大生に聞くべきですし、むしろ東大生じゃなくても良いのでマンガ家、マンガ編集者とかマンガ担当の書店店員とかプロに聞いた方が面白くてかつ納得性の高いランキングができるはずです。

 こうしたランキング企画というのは視聴者に「なるほど、そんな面白そうなマンガがあるのか、読んでみたいな」と思わせなければ情報としての価値がありません。誰でも知っているマンガを列挙されても「ふーん」としか思えません。なんの勉強にもならない、東大生ブランドに寄りかかっただけのダメなランキング企画の代表のような番組でした。



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