60歳の誕生日でした。還暦です。厳密には還暦は十干十二支がひとまわりするから「暦」が「還る」わけで、本来は数え年で61歳の時。だから今年の正月に僕は還暦を迎えたのですが、まあ今はわかりやすく満年齢で60歳の時が還暦でも良いでしょう。もっと厳密に言えば旧暦の正月だとかうるさいことも言えるわけですが、誰が今どき旧暦で年を数えるんだということになりますし。

　で、誕生日をいちいち告知してくれるFacebook上では毎年のように誰か彼かがお祝いメッセージをくれます。Facebookがなかったらごく一部の限られた人しか他人の誕生日なんて覚えていませんから、とてもありがたいことです。本来なら覚えていろよ、という親しい人でも誕生日なんて忘れてしまいがちですからね。

　で、暦が生まれた時に還ったので、これからは人生２周目に突入です。１周目を振り返ってみたら、何の誇れるような業績も残すことができず大した人生ではなかったなと残念に思う反面、無事に１周目を終えられたことには感謝しないといけないとも感じています。60歳まで健康で生き永らえ、孫まで持つことができただけでも上出来だと個人的には思っています。

　２周目に入るに当たっては、人生の仕上げになにか自分が生きた証として「これ」というものを後世に遺すということも考えました。が、どうもそういうタイプの人間ではないということも薄々わかっているので、むしろ後腐れのないように楽しむだけ楽しんで、後はキレイさっぱりと死んでいくという方向にしようと考えています。なんだ、今までと同じじゃないかと言われてしまえばそうなんですが、１周目はまだ少し「なにか」を成し遂げようという欲がありました。２周目はそれすら捨て去って生きられればと願っています。

　まあ欲を捨てると言っても、悟りを開こうとしているわけではないので、あくまでもエンジョイだけの一点突破というあたりで考えていますけどね。