幹事クリタのコーカイ日誌2021

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1月26日 ● ジャンプ新連載「逃げ上手の若君」。

 昨日大河ドラマの話で書いたように、人気の歴史ドラマと言えば1に戦国、2に幕末、3、4がなくて5に源平です。大河ドラマに限らず大半の歴史ドラマ、映画、小説、マンガ、ゲームはこのあたりの時代を取り上げれば鉄板です。主人公も織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、上杉謙信、坂本龍馬、西郷隆盛、土方歳三、源義経、源頼朝あたりの人気者が繰り返し登場しています。動乱の時代で多くの個性的な登場人物がそれぞれに活躍し新たな歴史を作っていくのですから、面白くないわけがありません。

 今週の少年ジャンプで新連載が巻頭カラーでスタートしました。「逃げ上手の若君」。作者は「魔人探偵脳噛ネウロ」、「暗殺教室」の松井優征。何気なく読み始めたのですが、初回からやたらと面白くて一気に惹きつけられました。松井らしい毒々しい絵は少しマイルドに可愛らしくなっていますが、それでも内容は相変わらずのグロさ。しかし主人公の少年が爽やかで、いかにもジャンプの主人公らしいのです。他の登場人物たちも個性的で魅力的。初回でこれほど面白い作品も久しぶりだと思います。

 そしてこの作品は史実に則った歴史モノでした。読み始めて「北条?」「高氏?」「太平記なの?」「主人公は?え、北条時行!」と、どんどん驚きが重なっていきました。歴史がそこそこ好きな僕でも北条時行のことはあまり知りません。「中先代の乱」というワードくらいは記憶の片隅に残っていても、細かいことは知らないし、北条時行の具体的なエピソードも知りません。何よりジャンプで南北朝時代の歴史モノって、なかなかのチャレンジです。

 早速ウィキペディア先生に北条時行のことをお尋ねしてしまいました。ふむふむ、なるほど。これは面白い人物を選んだものです。潔く死ぬことを最上とする武士社会において、逃げること、生き延びることが一番得意だった武士。しかも時代の狭間に生き、そしていつ死んだのかも定かではない人物。創作の余地がかなりありそうですし、現代の価値観にも近いところがあるので共感も得られやすいことでしょう。

 そして初回の面白さ、作者の経歴と実力を考えると、すでに長期連載は確定したと言っても良いでしょう。楽しみなマンガがひとつ増えました。


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